研究課題/領域番号 |
19K16420
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
建部 卓也 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (40806048)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キラーT細胞 / モデル動物 / がんワクチン / HLA / BCG抗原 / BCGワクチン / HLAトランスジェニックマウス / 組換えアデノウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
BCGワクチンで感作されたキラーT細胞を利用して、「ユニバーサルがん治療ワクチン」の開発を行う。我が国のほとんどの国民はBCGの接種を受けており、BCG抗原に対する細胞性免疫を持っていると想定される。事実、BCGワクチンを受けた日本人にBCG抗原ペプチド反応性のTh1細胞、キラーT細胞が存在することが報告されている。本研究では、がん細胞に遺伝子組み換えウイルスを感染させ、がん細胞特異的にBCG抗原を発現させて体内に存在するBCG抗原反応性キラーT細胞にがん細胞を攻撃させる方法を確立する。また本研究は日本人に多いHLAタイプに認識されるBCG抗原を用いて検討し、幅広く適用できる治療法を提案する。
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研究成果の概要 |
がん細胞特異的なキラーT細胞の誘導を介して免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を上げることが可能か検証した。キラーT細胞を誘導する抗原とIL-2をがん細胞に導入しマウスに移植したところ、完全にがん細胞が消失した。その後抗原付加なしのがん細胞を移植したところ、成長は認められなかった。これらの結果は導入抗原が引き金となりキラーT細胞の誘導を介してがん細胞が攻撃され、次にがん細胞の抗原が暴露されキラーT細胞の誘導を誘発したと示唆される。以上よりキラーT細胞誘導を利用したがん治療戦略を解明でき、免疫チェックポイント阻害剤の効果も増強すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療領域において免疫チェックポイント阻害剤の与える影響は非常に大きい。我々は体内でがん細胞特異的なキラーT細胞を増やし、既存の薬の効果を増強させることを考えた。本研究成果は、がん細胞に対して直接攻撃するものではなく、がん細胞に新たな抗原を発現させることで抗原に対するキラーT細胞の誘導を介して攻撃し、次にがん細胞のネオ抗原に対するキラーT細胞の誘導も引き起こしがん治療および再発するがんに対するワクチン効果を獲得したことを示した点で意義がある。また本システムは特定のがん種だけでなく、多くのがんに対して適応できることが期待される。
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