研究課題/領域番号 |
19K16433
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
松本 純一 福岡大学, 薬学部, 助教 (10550064)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 血液脳関門 / COPD / 慢性閉塞性肺疾患 / BBB / extracellular vesicle / エクソソーム / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、情動障害・認知機能障害などの中枢性合併症を併発する。この中枢性合併症は、COPD患者の予後不良とQOL低下の重大な危険因子となるが、その対策は不十分である。申請者は、COPDモデルマウスで血液脳関門(BBB)が障害されることや認知機能障害を誘発する抗コリン薬の脳内移行が増加することを突き止めた。そこで、『COPD病態下ではBBB機能障害を契機にして、脳の脆弱化と治療薬剤の中枢性副作用の2要素が複合化し、脳機能障害を顕在化あるいは増悪化させる』との仮説を立証する。
|
研究成果の概要 |
COPD患者は、循環器疾患、不安や抑うつ、認知機能障害など様々な併存症を併発する。血液脳関門(BBB)は中枢神経系の恒常性を維持するための選択的物質透過を行う脳のバリア構造であり、BBB障害は不安や抑うつ、認知機能障害など様々な脳機能障害と密接に関わっている。PPE誘発COPDモデルマウスの脳におけるトランスポーターおよび密着結合関連タンパク質のmRNA発現量を定量した結果、OATP2a1発現量がCOPDモデルマウスで有意に減少していた。本研究では、COPD病態下で脳のOATP2a1発現低下が脳の機能にどのような影響を及ぼすかは不明であり、今後の検討課題である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
COPD患者では、不安・抑うつなど情動障害や認知機能低下が併発する。血液脳関門は循環血液と脳実質を隔てる「障壁」として機能するだけでなく、正常な脳機能維持に必要な物質輸送も担っている。本研究では、COPDモデルの脳トランスポーター発現量においてOATP2a1が減少していた。OATP2a1はプロスタグランジン(PG)の取込み輸送体であるため、COPD病態下において、脳内PGクリアランスが異常化する可能性がある。
|