研究課題/領域番号 |
19K16434
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
中村 仁美 崇城大学, 薬学部, 講師 (60510691)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ADAs / Fab / 安定化 / フレームワーク領域 / 抗体医薬品 / 免疫原性 / タンパク質の安定化 |
研究開始時の研究の概要 |
世界で70品目を超える抗体医薬品が承認されており、がんや自己免疫疾患の治療に欠かせない存在となっている。しかし、患者体内で抗薬物抗体(anti-drug antibodies: ADAs)が産生され、それが治療効果の低下につながる場合があり、抗体医薬品の有効性と安全性を確保するうえでADAsの産生を抑えることは重要な課題となっている。一方、我々は抗原蛋白質の安定性を高めると、それに対する抗体産生が低下することを報告しており、これをADAs産生抑制法へと応用すべく、本研究では抗体フラグメントFabをターゲットに安定性と抗体産生の相関性を解析することとした。
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研究成果の概要 |
抗体医薬品の有効性と安全性を確保する上で、抗薬物抗体(anti-drug antibodies, ADAs)の産生を抑えることが望ましい。我々は抗原蛋白質の安定化がそれに対する抗体産生を抑制することを報告している。この知見がADAs産生抑制のための抗体エンジニアリングに応用できるか検証するため、これまでのモデル蛋白質よりも複雑な構造をもつ抗体フラグメントFabについて安定性と抗体産生の相関性について調べた。フレームワーク領域への疎水性アミノ酸の導入によりFabの安定化体作製に成功し、野生型と安定化体を用いた免疫実験等の結果から、安定性の高いFabほど抗体産生が抑えられる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体医薬品は、がんや自己免疫疾患の治療に欠かせない存在となっており、今後も市場規模の拡大が予想されている。抗体医薬品はその性質上、ADAs産生の問題が避けられず、これを評価するための研究が活発に行われている一方で、抗体そのものの改変によるADAs産生抑制に関する報告はまだ少ない。本研究課題ではFabの安定化デザインに加えて、これまでに我々が基礎研究で見出してきた知見をADAs産生抑制へと応用できる可能性が示され、抗体医薬品の有効性と安全性の確保に貢献できるのではないかと考えている。
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