研究課題/領域番号 |
19K16442
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
らずびな おりが 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60835312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 治療薬物モニタリング / 導電性ダイヤモンド電極 / 分子標的薬 / 薬物動態 / イマチニブ / ダイヤモンドセンサ / TDM / レンバチニブ / ダイヤモンド電極 / 電気化学分析 / 悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
分子標的型の抗がん剤は、従来の殺細胞型に比べ副作用が軽微とされが、患者は堪え難い有害事象に苦しむことが少なくない。これを軽減し、効果を最大限に引き出す投薬法の最適化は、患者QOLの大きな向上が期待される。その実現には、患者一人ひとりに対し、「血中」薬物濃度を測定の上、投薬量を決定することが必須となる。しかし、その実施例は稀である。最大の理由は、簡便に血中濃度を測定する方法が確立していないことにある。そこで本研究では、分子標的薬イマチニブを標的とし、「簡便・迅速」に血中の濃度を測定する方法を開発し、臨床応用の可能性を検証する。本研究の成果は、テイラーメイド治療に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、導電性ダイヤモンド電極を用いて血漿中の分子標的薬イマチニブの迅速測定方法を開発した。薬物の副作用を低減し、効果を最大化するためには、迅速に血中濃度を測定し、最適な治療濃度になるように薬を投与することが求められる。実験は採取したモルモット血漿に濃度の異なるイマチニブを添加し、測定法を検証した。その結果、それぞれ推奨治療濃度域を含む、0.01 μM~10 μMの薬物濃度に対して計測が可能であった。各測定は約20秒で完了した。迅速簡便な本計測法は、効果的かつ安心・安全ながん薬物療法の発展に貢献する可能性を見出せた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子標的薬のテーラーメイド治療では、症状に照らし合わせながら“頻回”の血中モニタリングが不可欠となってくる。現在、濃度を定量するには、(1)LC-MS/MS(質量分析器)など特殊な装置が必要である。よって、殆どの医療施設では、測定を外注しており、(2)高額な費用(~数万円/1検体)と、(3)結果を得るまでの長い日数(3~16日)が問題となっている。同時に、(1)~(3)の理由から、分子標的薬の毒性や効果と血中濃度の相関を調査する臨床研究が不十分となり、最適な薬物投与法の開発が滞っている。以上の課題を解決する「迅速・簡便」な測定方法の確立は急務である。
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