研究課題/領域番号 |
19K16444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
稲垣 孝行 名古屋大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (90835406)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | クラリスロマイシン / Mycobacterium avium / 薬剤耐性遺伝子 / 23SrRNA / ARMS法 / LAMP法 / 肺MAC症 / 非結核性抗酸菌 / 迅速検出法 |
研究開始時の研究の概要 |
非結核性抗酸菌が引き起こす肺MAC症は、有効な抗菌薬がなく、呼吸不全に至り死亡する症例もある感染症です。治療はクラリスロマイシン(CAM)を中心とした多剤併用療法が推奨されており、CAMのみが薬剤感受性試験の結果を考慮すべき唯一の治療薬です。研究代表者はこれまでにCAMの薬剤感受性試験と薬剤耐性遺伝子の変異との相関性を明らかにしています。本研究では、遺伝子変異検出法であるARMS法、および等温遺伝子増幅法であるLAMP法を応用し、特殊な機器が一切必要なく、簡便に数時間でCAM耐性の有無を判定するARMS-LAMP法を開発し、臨床上有益な検査法を確立することを目的としています。
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研究成果の概要 |
Mycobacterium avium感染症の治療のキードラッグであるクラリスロマイシン(CAM)耐性化は、23SrRNAの点変異と報告がある。本研究では、遺伝子変異検出法のARMS法と等温遺伝子増幅法のLAMP法を応用し、CAM耐性を判定する方法を開発した。M. avium 104基準株よりプライマーを設計し、M. avium 臨床分離株30株を用いてARMS-LAMPを実施した。その結果、感度・特異度が高く、数時間で判定可能であった。一方、シーケンス解析との差異は、変異型同士の混合株や非特異的な反応が考えられる。開発したARMS-LAMP法は、臨床上有益な検査法である可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の感染症検査は、大型機器を用いて感染症を迅速に診断する技術の研究開発が主流となっている。しかしこれらの大型機器は、初期費用が高額なため、一般病院や開業医院などに普及することは困難である。一方でARMS-LAMP法は、専用の大型機器等の必要がなく、比較的安価に導入しやすい特長がある。また、LAMP法プライマー設計支援ソフトは、無償で提供されており、誰でも比較的容易にプライマー設計が可能である。 ARMS-LAMP法を各種の感染症に対する迅速診断技術に応用し、新たな検査法として臨床に貢献する上で、本研究課題により得られた研究成果が重要な情報となり、学術的・社会的意義は大きいと考える。
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