研究課題/領域番号 |
19K16447
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川見 昌史 広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (20725775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 薬剤性肺障害 / 上皮間葉転換 / セルソーティング / バイオインフォマティクス / 抗がん剤 / メトトレキサート / p53 / 肺胞上皮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず抗がん剤によってEMTが誘発される細胞と誘発されない細胞の分取およびそれらの安定的な維持培養法の確立を試みる。その後、それら細胞の分子生物学的プロファイルの比較検討を通じて、EMTが誘発される細胞にのみに認められる特徴的な因子を、バイオインフォマティクスの手法を用いて特定する。特定した候補因子のノックダウンや過剰発現系を用いて、薬剤誘発性EMTや抗がん効果におけるそれら因子の寄与について検証し、最終的に薬剤誘発性EMTに特異的な因子の特定を目指す。
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研究成果の概要 |
抗がん剤は副作用として重篤な肺障害を誘発する場合があり、障害を受けた正常な肺胞上皮細胞が上皮間葉転換(EMT)を経て形質転換することが原因として考えられている。しかしながら、抗がん剤によるEMTの誘発機構に関する研究は乏しい。本研究では、抗がん剤誘発性EMTに特異的に関与する分子の特定を目的に研究を行った。 本研究の成果として、Nrf2, ITGA2およびp53といった複数の因子が抗がん剤メトトレキサートによるEMTに深く関与することを見出した。特にp53は、MTXによる抗がん効果には影響を及ぼさなかったことから、MTX誘発性EMTに特異的な因子として今後の展開が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた知見は、これまで不明であった薬物誘発性上皮間葉転換機構の一端を解明したものであり、肺線維症をはじめとした上皮間葉転換に関連する副作用の発症を予防しながら抗がん剤治療の継続が望める画期的な治療法の構築に資する有用な基礎的知見になると考えられる。
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