研究課題/領域番号 |
19K16452
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
清水 芳実 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (70633931)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ビフィズス菌 / 薬物送達システム / 抗悪性腫瘍薬 / トリプルネガティブ乳がん / クローディン-4 / 遺伝子組換え技術 / 偏性嫌気性細菌 / がん治療 / クローディン / 膜蛋白質 / イムノトキシン / トリプルネガティブ乳癌 / 遺伝子治療 / 低酸素環境 / 膜タンパク質 / 偏性嫌気性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がんの中で女性の罹患率が最も高い乳がんに対して新たな治療法を開発することを目的としています。善玉菌として知られるビフィズス菌は、腸内環境を整える作用があることが広く知られています。非常に興味深いことに、ビフィズス菌を血液内に注射した場合、がん選択的に集まります。この性質を利用して、ビフィズス菌にがんを小さくするような物質を分泌させ、乳がん治療に利用できるかをマウスを用いた実験で検討を行います。
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研究成果の概要 |
トリプルネガティブ乳がん(以下、TNBC)は、乳がんのサブタイプの中で最も予後が悪く、有効な治療法が開発されていない。本研究課題では、TNBCの一部で過剰発現していることが報告されているクローディン-4に着目し、クローディン-4に結合する蛋白質毒素を分泌発現する組換えビフィズス菌を新たに創出し、その有用性を検証した。その結果、作製した組換えビフィズス菌は、マウス担癌モデルにおいてアポトーシスを誘導することで、腫瘍の増殖を抑制した。この時、体重減少や臓器への傷害性は確認されなかった。以上の結果より、作製した組換えビフィズス菌は、TNBCに対して有望な創薬シーズであることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、乳がんの中で最も治療が難しいトリプルネガティブ乳がんに対する新しい治療法の開発を目指しました。ビフィズス菌は、整腸作用や免疫調整作用を期待して、医薬品や食品として応用されています。非常に興味深いことに、ビフィズス菌を血管内に投与すると、正常な組織には定着せずに、腫瘍に集まるという性質を持っています。そこで、トリプルネガティブ乳がんで、多く作られている蛋白質に結合し、腫瘍を排除するような分子を分泌するビフィズス菌を作製しました。このビフィズス菌は、動物モデルで、腫瘍が増える速度を遅らせることが分かりました。今後、作製したビフィズス菌が新しい治療薬の候補になることが期待されます。
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