研究課題/領域番号 |
19K16454
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
|
研究機関 | 武蔵野大学 (2022) 東京理科大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
牧野 宏章 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (40784369)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 光化学 / ラセミ化 / キラルスルホキシド / 光増感剤 / 光 / アルケン / 医薬品 / 安定性 / 光ラセミ化 / スルホキシド / 動的速度論的光学分割法 / 不斉誘起反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では市販の医薬品やその代謝物に含まれるスルホキシドの光エネルギーに対する立体化学の安定性を検討し、ラセミ化の起こる要因を明らかにする。さらに、これに基づき、光を利用した生物活性物質の不斉反応を開発する。本研究は、光に対する医薬品の安定性を確保するための基礎的な知見を得て、これを生物活性物質の不斉合成に応用することで、医療 薬学及び医薬化学分野に貢献する。
|
研究成果の概要 |
スルホキシドのラセミ化現象の解明と応用を目的として以下の成果を上げた。(1) 光増感剤を用いたキラルスルホキシドの高速ラセミ化反応の検討を行い、1 mol% の光増感剤共存下、425 nmの光照射により15秒以内にラセミ化する (t1/2 = 2.1 s, 3.19 x 103 M-1.S-1) ことを見出した。(2)高速ラセミ化反応を応用し、固相化した光増感剤とHPLCリサイクルシステムを用いた実用性の高い動的不斉誘起法を開発した。本法は、全く不斉源を用いず、光とキラルカラムを用いるリサイクルHPLCを用いるだけで、ラセミ体のスルホキシドから所望のエナンチオマー体を高収率、高光学純度で得る。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラルスルホキシドの立体化学の安定性は高く、150kJ/mol 以上の活性化エネルギーが必要であるため、光学活性なスルホキシドは一般的にラセミ化しないと考えられている。一方で、光照射によりラセミ化する事は知られているものの強力な紫外光源が必要とされ、本成果である可視光照射により高速でラセミ化する事は知られておらず、学術的な意義は高い。また、光とキラルカラムをリサイクルHPLC流路内で行う動的不斉誘起法は不斉源を用いず、所望のキラルスルホキシドを得られるため、医薬品など供給に使用できる可能があるため社会的意義は高い。
|