研究課題/領域番号 |
19K16484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
小西 弘晃 旭川医科大学, 医学部, 客員助教 (30777181)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プロバイオティクス / 抗腫瘍分子 / 難治性癌 / 難治癌 / 膵癌 / 生理活性物質 / 細胞シグナル / 抗腫瘍物質 |
研究開始時の研究の概要 |
プロバイオティクスはヒトに食経験があり、基礎研究で抗癌作用を発揮することが示唆されていることから安全性の高い癌治療への応用が期待されてきた。しかし、生菌体を用いた場合、菌の培養条件の差や宿主の腸内細菌叢の個体差などのため、臨床的な抗癌作用は証明されていない。本研究では、①難治性癌である膵癌に対する菌由来抗腫瘍活物質を同定し、②菌由来物質を介した新しい癌制御メカニズムを解明することで、新規膵癌治療薬開発へ向けた基盤的成果を得る。
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研究成果の概要 |
私はプロバイオティクスの培養上清を膵癌細胞に処置し、麹菌の培養液に強い抗癌作用があることを明らかにした。この培養上清をHPLCにより分画化し、質量分析解析及びNMR解析によりその作用を仲介する分子がHeptelidic acid(HA)であることを明らかにした。HAは膵癌細胞に対して細胞周期の異常および細胞死の誘導を引き起こすことで抗腫瘍効果を発揮していることを明らかにした。また、HAは消化管を透過し遠隔臓器に直接的に作用することで抗腫瘍効果を発揮しうることを実証した。本研究により、プロバイオティクスが多種多様な癌に対して作用を発揮しうること及びその作用メカニズムの一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロバイオティクスはヒトの健康の保持増進に有用なことは知られているが、主に腸内環境の改善作用に着目した研究が多く、癌や宿主細胞に直接作用する菌由来分子に着目した研究は少ない。本研究により、プロバイオティクス由来抗腫瘍分子が膵癌をはじめとする難治性癌の優れた創薬ターゲットであることを実証した。また、特定のプロバイオティクスと宿主や癌細胞がどのようにしての相互作用するのか、そのメカニズムの一端を明らかにした。
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