研究課題/領域番号 |
19K16492
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
近藤 秀和 大分大学, 医学部, 助教 (90724170)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | IL-10 / パラクライン効果 / 心外膜脂肪 / NADPH / IL-10の直接作用 / 心筋 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らのこれまでの研究により,IL-10は直接的な心筋保護作用を有するのみならず,心外膜脂肪を介した間接的な心筋保護作用を有する可能性が示唆された。そこで,ヒト心筋においても,IL-10の直接的な心筋保護効果が認められるか,ヒト心外膜脂肪を介したIL-10の間接的な心筋保護効果は認められるかに関して,心臓外科手術より採取された右心耳と心外膜脂肪,更にヒト心筋培養細胞を用いて検討する。本研究の成果は,IL-10の臨床応用への発展の可能性を秘めている。肥満やメタボリック症候群における心房細動の発症を阻止し,健康寿命の延伸に貢献することが目的である。
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研究成果の概要 |
IL-10はヒト心房筋に対して直接的な心保護効果を発揮することが判明した。その機序はNOSカップリングの改善及びNADPHオキシダーゼ活性を抑制することでヒト心房筋細胞の活性酸素を減少させることが主要な機序であった。更にヒト心外膜脂肪細胞にも修飾効果を発揮し,炎症性サイトカインの発現量を減少させることが判明した。このことからIL-10は心外膜脂肪の心筋細胞に対するパラクラインエフェクトを改善する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IL-10の心保護作用は動物実験レベルでは数多く報告されてきたが,ヒト心筋細胞及び脂肪細胞を用いた実験はこれまでになかった。本研究ではiPS由来ヒト心房筋細胞及びヒト心外膜脂肪由来前駆脂肪細胞を成熟脂肪細胞に分化させたものを用いてIL-10の心筋細胞への心保護効果を直接的及び間接的(心外膜脂肪のパラクライン効果を改善することで)に証明できた。マウスやラットの心外膜脂肪量は極めて少なく心筋へのパラクライン効果を調べるには適していないことが知られている。本研究はヒト組織及び細胞を用いた研究であり,より臨床に即している点で意義がある。
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