研究課題/領域番号 |
19K16506
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 関西学院大学 (2022) 早稲田大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
田中 昌子 (橘昌子) 関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (00733651)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 抗がん剤耐性 / 多剤耐性 / 分子シャペロン / プロテオスタシス / インタラクトーム / 胃がん |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は1つの細胞障害性抗がん剤に対して耐性を獲得すると、作用機序の異なる他の種類の抗がん剤に対しても耐性を示すようになり、これを多剤耐性と呼ぶ。多剤耐性の獲得は二次治療以降の治療成績を下げるため、耐性の分子機構の解明は重要な課題である。これまでにABC輸送体をはじめとする多剤耐性の原因となる因子が見つかっているが、これらの因子を標的とした治療薬はまだ開発されていない。本研究では、タンパク質の立体構造を安定化する「分子シャペロン」と結合するタンパク質を比較解析し、4種類の抗がん剤に対する多剤耐性獲得の分子機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
がん細胞は1つの細胞障害性抗がん剤に対して耐性を獲得すると、作用機序の異なる他の種類の抗がん剤に対しても耐性を示すようになる。本研究ではストレス応答分子であるHsp70と結合するタンパク質を解析し、抗がん剤の多剤耐性に寄与する分子を同定した。 4種の細胞障害性抗がん剤それぞれに耐性となった胃がん細胞株を解析した結果、4種に共通するHsp70結合タンパク質として6分子同定した。そのうち4分子の機能阻害が抗がん剤の感受性を回復させたことから、これらの分子が多剤耐性を生じさせていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤の耐性は薬剤そのものに対する抵抗性と細胞死に対する抵抗性に大別される。前者は薬剤排出ポンプであるABCトランスポーターの亢進などが多剤耐性を生じさせる分子機構としてよく知られているが、後者の原因となる多剤耐性機構はよく分かっていない。本研究は抗がん剤の分子構造や作用機序が異なる場合であっても、共通して生じる細胞内ストレスに着目し、複数の多剤耐性候補因子を同定した。この成果は抗がん剤ストレスにさらされたがん細胞が細胞死に対する抵抗性をどのように獲得するのかを知るうえで重要な知見であり、抗がん剤多剤耐性の克服へ向けた研究基盤を構築する。
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