研究課題/領域番号 |
19K16508
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
福田 亮介 関西学院大学, 理工学部, 助教 (90825308)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 呼吸器炎症 / 上皮細胞炎症応答 / 嚢胞性線維症 / CFTR / 気道上皮炎症応答 / タンパク質間相互作用 / 炎症 / 気道上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
重篤な呼吸機能低下を主徴とする遺伝性疾患である嚢胞性線維症(CF)の発症初期において, 気道での非感染性炎症が誘導されることが知られている. 申請者はCF非感染性炎症に関与する分子としてCFTR相互作用分子であるReceptor X (RX:仮名) を同定した. 本研究ではCFTRの欠失がRXを介して感染非依存的にIL-8産生を誘導する機序の解明, 及びCF患者由来初代培養ヒト気道上皮細胞やCFモデルマウスを用いたRXのCF非感染性炎症治療標的としての妥当性評価を行う. 更にはRXを標的とした薬剤のCF炎症に対する有用性を調べることでCF病態進行抑制を企図した薬剤開発の基礎情報の獲得を目指す.
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研究成果の概要 |
嚢胞性線維症(Cystic fibrosis:CF)における気道非感染性炎症の発症にCFTRの新規相互作用タンパク質として同定されたEPHA2受容体のCFTRの発現異常に伴うシグナル変化が関与することが示された. 機能的なCFTRはEPHA2とリガンドとの結合を促進することでEPHA2のリガンド非依存的経路を抑制し, 炎症を抑制することが示された. EPHA2リガンド非依存的経路及び下流のERKシグナル経路の阻害はCF患者由来初代培養気道上皮細胞においても感染非依存的な炎症を抑制する効果を示した. 本結果からCFにおける慢性炎症の治療標的としてEPHA2経路の有用性を新たに見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼吸器慢性炎症はCF病態増悪の根本的な原因であり, EPHA2は病態進行を遅延させる治療法の有用な治療標的になり得る. またCFTR機能異常はCFのみならず感染性呼吸器疾患やCOPDにおいても報告されており, 種々の呼吸器炎症病態に本課題で見出された機構が関与している可能性がある. 今後, EPHA2を標的とした炎症抑制薬の評価を行なうことで, 様々な呼吸器炎症における有効性を明らかにできると考える. また, 本課題中に開発したEPH-EFN結合性評価法を応用することで網羅的な生細胞での結合試験法の確立にも至り, 幅広い疾患におけるEPH受容体の重要性を議論するための基盤構築も成し得た.
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