研究課題/領域番号 |
19K16523
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
樋口 琢磨 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 助教 (10754567)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | miRNA / RNA結合タンパク質 / NF90 / NASH / 線維化 / 炎症 / NF45 / 臓器特異的ノックアウトマウス / 非アルコール性脂肪肝炎 / マイクロRNA |
研究開始時の研究の概要 |
機能性小分子RNAであるマイクロRNA(miRNA)の中には抗線維化・抗炎症作用を持つものが存在し、当該miRNAの産生低下は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)等の線維化・炎症を伴う疾患の発症および増悪化を引き起こす。一方、我々はNASHモデルマウスの肝臓においてmiRNAの生合成を抑制するRNA結合タンパク質複合体「NF90-NF45」の発現が顕著に増加していることを見出している。本研究では肝臓特異的NF90-NF45欠損マウスおよび培養細胞系を用いて、NF90-NF45の発現増加が抗線維化・抗炎症性miRNAの産生阻害を介してNASHの発症・増悪化に寄与するか否かを検証する。
|
研究成果の概要 |
RNA結合タンパク質複合体であるNF90-NF45は、複数のmiRNAの生合成を抑制する。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルマウスの肝臓においてNF90とNF45の発現増加が認められたため、我々はNASHにおけるNF90-NF45の影響の検討を試みた。その結果、NASHモデルマウス肝臓において発現増加したNF90-NF45はmiR-483-5pの産生を阻害し、当該miRNAの標的であるコラーゲン分解阻害因子Timp2の発現を増加させることで、肝線維化に寄与する可能性を見出した。加えて、肝臓特異的NF90欠損マウスの作製にも成功したため、今後、当該マウスを用いた解析を進める予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非アルコール性の脂肪肝疾患の一つであるNASHは、肝硬変や肝細胞がんへと進行することから予後不良であるが、現時点でNASHに対する治療法は十分に確立されていない。加えて、NASHの発症・増悪化を司る肝炎・肝線維化進展の制御メカニズムについても不明な点が多く残されている。本研究結果から、NASHモデルマウス肝臓におけるNF90-NF45の発現増加がmiRNAの産生抑制を介して肝臓の線維化を制御する可能性が見出された。本研究成果はNASHに対する新規治療法開発の礎となることが期待される。
|