研究課題/領域番号 |
19K16538
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山田 名美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40727319)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | エクソソーム / 細胞間コミュニケーション / 細胞指向性 / 細胞向性 / Seed and Soil説 / 超微細構造 / 大腸がん |
研究開始時の研究の概要 |
がんはエクソソームと呼ばれる膜性の小胞を分泌する。エクソソームにはmicroRNAやタンパク質などの情報伝達物質が内包されており、がんはこの小胞を分泌することによって周囲の細胞とコミュニケーションをはかっていることが近年明らかとなってきた。これまで我々は、大腸がんが分泌するエクソソームの機能に着目し研究を進めてきた。その過程で、エクソソームが特定の細胞にのみ取込まれる現象をみとめたことから、「がんは宛先を指定してエクソソームを分泌しているのではないか」と考え、この仮説を証明するために、エクソソームの宛先決定タンパクを同定し、その分子を介したエクソソームの取込みを制御するメカニズムを解明する。
|
研究成果の概要 |
近年、がん細胞は多くの情報伝達物質を内包した小胞エクソソームを分泌し、周囲の細胞とコミュニケーションを行なっていることが明らかとなった。これまで我々は大腸がん細胞が分泌するエクソソームの内包分子およびその機能について、研究をおこなってきた。その過程において、エクソソームはランダムに分泌されているのではなく、宛先が指定された状態で分泌されている可能性が示唆されたため、その分子メカニズムの解明を試みた。エクソソームに内包されるタンパク154種類を同定し、各タンパクについて既報論文やデータバンクを解析して、宛先決定タンパク候補の絞り込みを行った。各タンパクの機能について現在解析を続けている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「エクソソームに宛先があること」および「がん転移には臓器指向性があること」の共通点に着眼し、新たな視点から「Seed and Soil説」の分子メカニズムにアプローチする研究である。すなわちがん転移の分子病態がエクソソームの観点より明らかになることで、がんの転移兆候を早期診断し、転移予防や転移抑制のための治療戦略を立てることに貢献できる可能性がある。具体的には、がんが分泌した転移促進エクソソームを透析に近い形で体液中より除去する方法の開発や、がんが分泌したエクソソームの宛先を取り払い、尿中へ排泄してしまう方法の開発など、発展が期待できる。
|