研究課題/領域番号 |
19K16550
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
副島 友莉恵 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師(キャリアアップ) (60596964)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インテグリンβ6 / 胆管癌 / CRISPR/Cas9 / RNA-seq / PODXL2 / RNA-seq解析 / 遺伝子発現解析 / ノックアウト / インテグリンαvβ6 / 免疫組織化学的解析 / 遺伝子発現抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
胆管癌は部位により肝内,肝門部,肝外に分類され、形態や発現形質が不均一で予後が悪く、新たな治療法の開発が必要とされている。これまでに、インテグリンαvβ6の発現が、肝内胆管癌の中でも傍肝門部大型胆管癌で強く、浸潤や転移と関連することを明らかにした。しかし、その発現機序は十分にわかっておらず、さらに肝門部および肝外胆管癌におけるインテグリンαvβ6の発現については詳細な報告がない。本研究では、胆管癌におけるインテグリンαvβ6の発現機序を明らかにし、インテグリンαvβ6を標的とし、かつ悪性度評価の指標として治療応用へと展開するための研究基盤の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
胆管癌株細胞株HuCCT1を用いてCRISPR/Cas9システムによりITGB6ノックアウト(ko)細胞株を作製した。ITGB6-ko胆管癌細胞では移動能、浸潤能、遊走能、コロニー形成能の低下を示し、インテグリンβ6が胆管癌の治療標的および悪性度評価の指標として有用となる可能性を明らかにした。またRNA-seq解析によりITGB6-koにおける発現変動遺伝子を調べた結果、PODXL2で最も強い発現低下をみとめた。肝内胆管癌組織を用いたPODXL2免疫組織化学的解析では、発生部位、発育様式、漿膜浸潤、胆管浸潤などの臨床病理学的所見と関連およびインテグリンβ6の発現と相関を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒト胆管癌細胞株を用いてインテグリンβ6遺伝子発現を抑制することにより、胆管癌の形態や発現形質、悪性度の性質変化を調べ、難治性で予後の悪い胆管癌の治療標的分子および悪性度評価の指標としての有用性を明らかにした。さらに、胆管癌におけるインテグリンβ6の発現機序を明らかにするため、インテグリンβ6の発現がみられる胆管癌細胞と発現を抑制した胆管癌細胞を用いて遺伝子発現解析を行い、インテグリンβ6の発現に関与する候補遺伝子を明らかにした。本研究により、インテグリンβ6を標的とした治療応用へと展開するための研究基盤を確立することができた。
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