研究課題/領域番号 |
19K16553
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
谷 優佑 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50835684)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / DNA2重鎖切断 / DNA損傷応答 / DNA二重鎖切断 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎(UC)は近年本邦で急増している炎症性腸疾患で、長期経過例には大腸癌発生のリスクがあり、発癌リスクを予測する新たなバイオマーカーの開発が期待されている。応募者らはこれまでに、UCの大腸上皮細胞にはDNA二重鎖切断(DSB)とそれに対するDNA損傷応答(DDR)の破綻が炎症性発癌に先立って起きていることを見出してきた。本研究ではこの結果を踏まえて、UC症例の大腸粘膜生検組織におけるDSBとDDRの状態を調べ、これらが炎症性発癌リスクを層別化するバイオマーカーとなりうるかを検討する。炎症性発癌のリスクを層別化できれば、UC患者のサーベイランスをより効率的かつ効果的に行うことができる。
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研究成果の概要 |
DNA二重鎖切断(DSB)やDNA損傷応答(DDR)の破綻が、潰瘍性大腸炎の炎症性発癌のリスクを予測するのバイオマーカーとなりうるかについて検討し、本研究にて炎症性発癌を伴う症例では伴わない症例よりもDSBが高頻度で発生していること、潰瘍性大腸炎の非腫瘍性粘膜では他の炎症性腸疾患と比較してDDRの破綻が高度にみられること、DDRの破綻は、罹患年数が長くなるにつれて高度となることを見出した。また、直腸では部位によるDDR破綻の程度にばらつきは少なく、直腸生検標本でのDDRの検討がバイオマーカーとして再現性のあるものであることを確認した。今後は、直腸生検標本のDSB, DDRを検討する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、潰瘍性大腸炎における炎症性発癌と、DNA二重鎖切断 (DSB)やDNA損傷応答 (DDR)の関連について調査した。DSBやDDRが発癌リスクを予測するバイオマーカーとして有用であるかについては、さらなる検討が必要であるが、有用であれば、学術的には炎症性発癌の分子メカニズムの解明に向けての基礎データとなり、社会的には潰瘍性大腸炎患者に行われるサーベイランスの効率化、患者の肉体的負担や、医療経済的負担の軽減に寄与する可能性がある。
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