研究課題
若手研究
世の中では様々な化学物質が使用されている。その中でも世界的に残留性有機汚染物質(いわゆるPOPs)が問題になっているがヒトでの研究はほとんどない。そこで本研究では残留性有機汚染物質が最も蓄積していると考えられる剖検症例の組織を用いて残留性有機汚染物質の汚染・蓄積の実態を解析し、最終的には疾患との関連性を検討する。
世界的に残留性有機汚染物質(POPs)が問題になっている。これまで環境を経由したPOPs等の汚染・蓄積などについての研究は皆無である。有機物質であるPOPs等を確認するためヒトにおけるPOPs等が最も蓄積していると考えられる剖検症例の各種組織サンプルを採取し凍結保存し、その汚染・蓄積の実態の解析を実施した。測定は質量分析器による高感度分析を実施した。分析の結果、主なPOPsであるポリ塩化ビフェニル、ポリ臭素化ジフェニルエーテル、有機塩素系農薬類、ヘキサブロモシクロドデカが解析した幅広い年齢の症例の皮下脂肪からいずれにおいても検出した。
ヒトにおいても環境を経由したPOPs等の汚染・蓄積が明らかとなった。野生生物レベルでは、POPsが生殖器の異常や奇形の発生、免疫や神経への影響を及ぼすことが明らかとなっており、今後はヒトでの検討を進めるための基本的となるデータである。また、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)」の採択により規制が進んでいる古典的なPOPsであるPCB等だけでなく、これらの代替品である新規POPsやPOPs代替物質(PBDEs およびHBCDsなど)も今後の規制が必要かの基本的データとなる。
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Pathol Res Pract
巻: 227 ページ: 153635-153635
10.1016/j.prp.2021.153635