研究課題/領域番号 |
19K16562
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
久保 輝文 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90580019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / サイトカイン / 上皮バリア機能 / p53ファミリー転写因子 / ΔNp63 / ケラチノサイト / 分化 / IL-13 / 上皮細胞 / 物理バリア / p63 / 三次元培養 / p63/p73 / 免疫バリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では正常ヒト初代培養ケラチノサイト(皮膚細胞)と細胞生物学および分子生物学的手法を用いる。ケラチノサイトの培養は通常の平面二次元培養と気相液相境界面培養法を用いた三次元培養法を目的に応じて使い分けて進行する。これにより、表皮ケラチノサイトが発現するp63/p73の発現調節機構とそれによるアトピー性皮膚炎に関連するケラチノサイトの偏倚状態を遺伝子発現やタンパク発現および機能的意義について、種々の方法で多角的に検討したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、ケラチノサイトにおいてΔNp63 が制御するアトピー性皮膚炎関連分子に対するいわゆる2型炎症環境の影響について検討することを目的とした。皮膚組織では、ΔNp63とバリア関連タンパク質との間に逆転した発現パターンが観察され、ΔNp63 はこれらの発現を制御していた。さらに、いくつかの炎症性サイトカインもまたΔNp63によって調節された。IL-13 はケラチノサイトの分化過程における ΔNp63 の発現低下を阻害していた。我々は、IL-13-ΔNp63軸が、アトピー性皮膚炎発症の2つの主要な因子である表皮バリアの異常とケラチノサイトのサイトカイン産生増加状態を統合しうると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎をはじめとするアトピー・アレルギー性疾患はこの数十年で罹患者数が激増した疾患であり、遺伝的要因に比して生活習慣や環境因子が病態の形成に強く関わっていることは確実である。アトピー性皮膚炎の患者数は非常に多い一方で、抗体医薬が極めて高価であることから、医療経済的にも病態メカニズムの最も上流にあるケラチノサイトの機能を追求し、病態形成の本質に迫ることで予防的方策を確立することが求められている。本研究では、その一端を明らかとすることができたと考える。
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