研究課題/領域番号 |
19K16603
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 奈々恵 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (80390805)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | L-PGDS / 認知 / 睡眠 / 行動 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の大半を占めるアルツハイマー病(AD)では、amyloid β(Aβ)やタウ蛋白の凝集により神経変性が起こる。リポカリン型PGD合成酵素(L-PGDS)は中枢でプロスタグランジンD2(PGD2)を合成して睡眠を誘発する他、疎水性低分子を輸送する働きを持つが、その役割は明らかになっていない。睡眠誘発のために発現上昇するL-PGDSは、同時にAβやタウと結合・安定化して排泄することで神経を守り、認知症の進行を抑えている可能性がある。本研究ではADモデルマウスを用い、LPGDSを介した睡眠と認知症との関連を検証する。
|
研究成果の概要 |
リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)はクモ膜やオリゴデンドロサイトに多く発現し、PGD2を産生して睡眠を誘発するとともに神経を保護し、アミロイドβと結合してその蓄積を抑制している可能性が考えられる。本研究では、アルツハイマー病モデルマウスを用い、L-PGDS遺伝子の欠損が睡眠や認知行動に与える影響を検討した。L-PGDS遺伝子の欠損がマウス脳内のアミロイドβの蓄積に影響することをin vivoで明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
老年人口の増加に伴い認知症患者数が増加しており、予防や治療へ向けた対策が求められている。また、睡眠不足は認知症のリスクを高める一方で、認知症患者の7割以上が睡眠障害を併発していることが知られている。アルツハイマー病患者の脳内では、Amyloid βの沈着物である老人斑が観察される。本研究で、睡眠誘発に関与するL-PGDSが認知症に伴うアミロイドβの集積に影響することがin vivoで示唆された。認知症の制御につながることが期待される。
|