研究課題/領域番号 |
19K16681
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
應田 涼太 北海道大学, 医学研究院, 助教 (90817321)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | MHC class I / NLRC5 / DNA脱メチル化 / CRISPR/Cas9 / MHC-I / 遺伝子特異的脱メチル化 / DNAメチル化 / がん免疫 / 遺伝子治療 / 乳癌 / 遺伝子発現 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
NLRC5はMHC class I 遺伝子群のマスター転写因子であり、腫瘍免疫において重要な役割を果たしている。我々は多くの予後不良乳癌患者においてはNLRC5遺伝子が高度にメチル化していることを見出した。本研究は、CRISPR/Cas9システムを応用した新しい特異的脱メチル化技術の開発を行うことにより、新しい癌治療戦略の可能性を明らかにすることが目的である。これらの研究から、癌細胞における効果的な遺伝子発現制御技術が開発されることが期待される。さらに、開発中の遺伝子特異的な脱メチル化技術は様々な遺伝子発現の誘導に応用できるため、今後広い分野に渡って生物医学の発展に大きく寄与する可能性がある。
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研究成果の概要 |
これまで我々の研究から、NLRC5の発現レベルやメチル化度は各種癌において5年生存率に大きく関わっていることが我々の研究によって明らかとなった。以上のことから、NLRC5遺伝子脱メチル化による癌免疫逃避の阻害が新たな癌治療戦略において有用であると考えるに至った。しかし、既存の脱メチル化剤は非特異的であるため強い副作用を有し、一部の癌にしか用いることができない。そのため、特異的なDNA脱メチル化技術の開発が長く望まれていた。本研究は、CRISPR/Cas9システムを応用した新しい特異的脱メチル化技術の開発を行うことにより、新規癌治療戦略の可能性を明らかにすることが目的である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤の登場は、癌治療に大きなインパクトを与えて来ている。しかしながら、未だ、こうした癌免疫療法に反応する癌患者は少数派であり、多くの癌患者では治療効果が認められない。多くの原因が考えられるが、一つは現在の癌免疫療法が、免疫系をいかに賦活化させるかに重きを置いており、その相手方である癌がいかに免疫系から逃れているかに対応出来ていないことが原因である。我々はNLRC5遺伝子メチル化が多くの癌において免疫逃避に関わっている事を見出した。新しい特異的脱メチル化技術の開発を行うことにより、癌免疫逃避に焦点を当てた新たな癌治療への応用に繋がる。
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