研究課題/領域番号 |
19K16697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 大地 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50805752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 苦味受容体 / 好中球 / 細胞遊走 / 生体防御 / 好中球動員 / ケモカイン受容体 / 味覚受容体 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
「良薬は口に苦し」は孔子が残した言葉であり、古くから人々は苦い薬には良い治療効果があると信じてきた。一方、医療現場において患者は薬の苦味を不快に感じ、苦味が原因で患者が服薬を中断することがあり、近年の大きな問題の一つとされている。このため、苦味成分が治療に有効であることを科学的に証明し、社会的な理解を得ることは苦味による服薬の中断を予防することにつながる。本研究では苦味物質が抗炎症作用を有することを種々の苦味物質および、苦味受容体欠損細胞を用いて解析を行い、苦味による治療効果の可能性を追求する。
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研究成果の概要 |
苦味受容体(Tas2R)は口腔内の味蕾細胞などに発現し、口腔内に侵入してきた苦味物質を認識することが知られている。近年の解析から Tas2R が口腔外にも発現することが見出され、その機能的意義が注目されている。申請者はマウス好中球に Tas2R126, Tas2R135, Tas2R143 が発現することを見つけ出し、その機能的意義を検討した。申請者らは Tas2R126/143 シグナリングがケモカイン依存的な好中球遊走を亢進させることを明らかにした。さらに、好中球遊走亢進に ROCK-MLC2 経路が関わることを見つけ出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「良薬は口に苦し」は孔子が遺した言葉であり、古くから人々は苦い薬には良い治療効果があることと信じてきた。一方、医療現場では患者が薬の苦味を不快に感じ、苦味が原因で患者は服薬を中断することがあり、医療問題の一つとされている。このため、苦味成分が治療に有効であることを見つけ出すことは、苦味による服薬中断の予防につながる。 本研究により、特定の苦味受容体のシグナリングが生体防御に関わる好中球遊走を促進させることを見出し、新たな免疫賦活経路を発見した。本研究を進展させることで、苦味成分を用いた感染症予防法確立につながることが期待される。
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