研究課題/領域番号 |
19K16702
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木庭 乾 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90793795)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アレルギー / 気管支喘息 / ILC2 / セロトニン / マスト細胞 / 2型免疫応答 / Serotonin (5-HT) / PNEC / Sick building syndrome / Allergy |
研究開始時の研究の概要 |
2型自然リンパ球(ILC2)は、アレルゲンによる組織損傷に伴い産生されるIL-25やIL-33に反応し、迅速かつ多量に2型サイトカインを産生することでアレルギー性炎症を誘導する。申請者は多様な免疫細胞を比較したRNAシークエンスデータを解析し、ILC2が神経伝達物質であるセロトニンの受容体を特異的に発現していることを見出し、セロトニンがILC2の増殖やサイトカイン産生を抑制する因子であることを明らかにした。本研究では、アレルギー性炎症におけるセロトニンの新たな生理的役割を、ILC2の抑制という観点から明らかにし、その抑制機構の破綻とアレルギー疾患の因果関係を解明する。
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研究成果の概要 |
2型自然リンパ球(ILC2)は2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)とともにアレルギーの発症に重要なリンパ球である。本研究ではセロトニンによるILC2抑制機構について、気管支喘息モデルマウスを用いて解析を行った。セロトニンを投与した気管支喘息モデルマウスではILC2の機能が抑制され、アレルギー性炎症が顕著に抑制された。RNAseq解析の結果、セロトニンによる抑制は活性化ILC2に選択的であり、ナイーブILC2やTh2細胞は抑制しないことが明らかとなった。さらに、喘息肺セロトニン産生源は気管支上皮層のマスト細胞であり、ILC2の過剰な活性化を防ぐ役割を果たしていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、非常に多機能な生理活性モノアミンであるセロトニンが、アレルギー性疾患の新たな治療標的として注目を集めているILC2に対して選択的な抑制作用を持つことが明らかとなった。セロトニン拮抗薬はうつ病、偏頭痛など様々な疾患を対象に薬として使われており、本研究の成果をもとに、今後アレルギー治療に応用されることが期待される。
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