研究課題/領域番号 |
19K16703
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
君塚 善文 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 講師 (40445268)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ワクチン / インフルエンザ / アジュバント / レーザー / photobiomodulation / 近赤外光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は, 近赤外光の粘膜への照射がインフルエンザ粘膜ワクチンのマウスモデルにおいてアジュバント(免疫賦活剤)効果を示すことを検証し近赤外光粘膜照射を効果的かつ安全性の高いワクチンアジュバントとして確立することを目的とする. 現在, 予防接種に使用されるワクチンの多くは免疫原性が低く, アジュバントの混合を要するが一部で副作用も知られている. 本研究では, 申請者らが既に皮膚照射モデルにおいて示した近赤外光によるアジュバント効果を応用し, 舌下粘膜ワクチンにおける有効性を検証する. 非接触・非侵襲的な光により粘膜ワクチンの作用増強効果が示されれば感染症予防において広く社会に役立つ可能性がある.
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研究成果の概要 |
マウスの舌下粘膜へ温度計測と組織学的な評価から非侵襲的な照度を照射する系を確立した。既報を元に、全粒子インフルエンザワクチンを舌下に滴下して免疫するマウスモデルにおいて、免疫直前に近赤外光を照射すると舌下投与単独に比較して、免疫増強効果があること、その効果は近赤外光の波長特異的である可能性を示した。マウス粘膜中のRNAの動きから、近赤外光への曝露が特定のサイトカインの発現に作用し、下流の免疫応答へ寄与している傾向を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、光を「皮膚」へ照射して免疫賦活化を誘導する技術が報告されてきたが、本研究では「粘膜」に対して非接触・非傷害性の光を照射し免疫賦活化を試みており、この概念は世界的にも独自性および挑戦的価値が高い。 経鼻および舌下による粘膜ワクチンは近年注目されており, 弱毒化生ワクチンを用いて臨床応用されてきている. これらの粘膜ワクチンの特徴は針を不要とすること, および感染防御に重要な粘膜面の抗体を産生するIgA産生性B細胞を含む粘膜免疫までも誘導し感染防御に有効なことが挙げられる。一方、粘膜ワクチンには確立したアジュバントが存在しないことから、今回の発見は予防医学的意義も大きい。
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