研究課題/領域番号 |
19K16715
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山下 美智子 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (10809247)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 乳癌 / トリプルネガティブ乳癌 / 化生癌 / バイオインフォマティクス / CAPS1 / トリプルネガティブ / ビックデータ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、一般型の乳癌においては、遺伝子発現プロファイルに基づくサブタイプ分類による治療が確立し治療成績が向上している。しかしながら、特殊型乳癌についてはその恩恵が十分に彫られていない。化生癌、特に軟骨化生を伴う乳癌の遺伝子発現プロファイルについてのビッグデータを解析し、治療標的となりうる候補遺伝子群を同定した。本研究ではこれら候補遺伝子群について、培養細胞を用いたin vitro解析などにより、化生癌における治療標的分子を同定する。本研究課題を実施することで、難治である化生癌の分子生物学的背景の一部が解明され、化生癌やトリプルネガティブ乳癌の新規治療薬開発が期待できる。
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研究成果の概要 |
一般型の乳癌においては遺伝子発現プロファイルに基づくサブタイプ分類による個別化治療により治療成績が向上しているが、特殊型乳癌の一つである化生癌では、有効な治療法がなく、その恩恵が全く得られていない。 我々は化生癌の遺伝子発現プロファイルに着目し、ビックデータを用いた解析を駆使して新規治療標的候補遺伝子としてCAPS1を同定した。CAPS1は正常乳腺組織と比較して乳癌組織で有意に発現が高く、トリプルネガティブ乳癌においてCAPS1高発現群は予後不良であることを見出した。また、乳癌細胞株を用いた解析により、乳癌細胞の増殖、遊走、浸潤にCAPS1が深く関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軟骨化生を伴う乳癌は稀な乳癌であるが、国内外を含めて有効な治療が確立されていない。他のサブタイプの乳癌の治療が発展していく中、化生癌の治療法開発は取り残された課題であり、CAPS1の同定は新規治療法開発に向けた端緒となる可能性があり、その意義は大きい。 がんゲノム医療が国内で急速に普及してきており、今後、ビックデータを臨床現場に応用する手法が必要とされている。このことから、本研究により化生癌を含むトリプルネガティブ乳癌のトランスクリプトーム解析を用いた新規治療法の開発は、今後のゲノム医療時代の治療開発の一つの道筋を示すことにもつなげることができると考える。
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