研究課題/領域番号 |
19K16722
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
幾瀬 圭 順天堂大学, 医学部, 助教 (70750876)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / 酸化ストレス / 抗酸化能 / 塩基除去修復酵素 / 胃癌 / 小児 / 胃がん / ピロリ菌感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
胃内に慢性的に感染したピロリ菌は胃粘膜に炎症をもたらし、胃がん発生のリスクを増大させる。ピロリ菌は内服薬で除菌することが可能だが、除菌後も胃がん発生のリスクはゼロにならない。そこで、除菌後胃がんやピロリ菌未感染者の胃がんを管理するためには胃がんのリスクを客観的に評価する指標が必要となる。本研究ではがんの発生の原因となる酸化ストレスに着目し、酸化ストレスに対する防御能力(抗酸化能、DNA修復能)と、酸化ストレスに伴うダメージ(DNA損傷)の蓄積量を成人・小児、ピロリ菌感染者・非感染者で比較し、加齢やピロリ菌感染と酸化ストレス・胃がん発生との関係性から、胃がんのリスク因子の同定を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度と同様に、検討に参加された患者の胃粘膜生検組織を対象に抗酸化能およびDNA修復能の評価と蓄積したDNA変異の定量的解析を行った。 抗酸化能の評価には抗酸化物質を誘導するNrf2、抗酸化酵素のGPX、PRX、TRX、HO-1の胃粘膜生検組織上での発現をウェスタンブロット法を用いて解析した。また、DNA修復能の評価には酸化ストレスに伴うDNA損傷の修復を担う塩基除去修復酵素(OGG1、MUTYH、MBD4、NTHL、NEIL1-3)の胃粘膜生検組織上での発現も同様にウェスタンブロット法を用いて解析した。蓄積したDNA変異の定量的解析は酸化ストレスを原因とするDNA変異の程度を表す8-OHdG、AP-siteの胃粘膜生検組織上での発現をビオチン検出法で測定した。 2021年度修了時点で、全体の80%程度の症例収集と70%程度の組織解析を施行し、年齢増加に伴う抗酸化物質誘導酵素Nrf2、抗酸化酵素(GPX、HO-1)の発現低下と、塩基除去修復酵素(OGG1、MUTYH、MBD4)の発現低下およびDNA変異の程度をあらわす8-OHdG、AP-siteの増加を確認した。また、ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う抗酸化能、DNA修復能、DNA変異の程度の変化も確認された。 現時点での結果は胃癌発生の主因の一つである酸化ストレスとそれに伴うDNA変異が加齢およびヘリコバクター・ピロリ菌感染によって変化することを示唆しており、「酸化ストレスに対する抗酸化能やDNA損傷を補う修復能がヘリコバクター・ピロリ菌感染や食生活などのリスク因子や加齢によって変遷することでDNA変異が蓄積して胃癌が発生する」という本検討における新たな仮説を支持するものであった。本検討の現段階での結果を関連学会にて公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者登録状況により2年の延長を要したが、研究の進展は順調であり、延長期間内に完了させることができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間内での遂行を目指して症例の登録と解析を進める。早期に予定する解析を終えた場合には各酵素間の発現変化を生じる要因についての検討を考慮する。
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