研究課題/領域番号 |
19K16733
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
河田 卓也 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (30792494)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん転移 / 融合遺伝子 / がん遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
がん転移の分子メカニズムを解明のため、我々はマウス乳がんから転移モデルを作製し、発現解析により転移を促進する候補の一つとしてSTAC2を同定した。STAC2は最近、乳がんにおけるドライバー融合遺伝子ACACA-STAC2として同定されたが、その機能や発現分布は未知である。本研究では、マウスモデルを用いて、STAC2のがん転移促進作用を実験的に検証し、ヒト乳がん細胞株を用いて、分子機能や発現分布、がんにおける役割を明らかにする。また、乳がん症例を用いて、STAC2の発現と予後に関わる臨床病理学的因子との相関を解析し、さらに、ACACA-STAC2 融合遺伝子との関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
新規がん転移関連分子候補STAC2の分子機能とヒト乳がんにおける臨床的意義の解析を目的として解析を行った。マウス乳がん培養細胞株では、細胞増殖やアポトーシスとの関連が示唆された。しかし、ヒト乳がん培養細胞株では、STAC2の発現と悪性度とを関連付けるデータは得られなかった。また、臨床検体を用いて、ヒト乳がんにおけるSTAC2 mRNA発現と臨床病理学的因子との関係を解析した。その結果、STAC2発現と悪性度とは相関しなかった。また、新規ドライバー融合遺伝子候補とされるACACA-STAC2は解析した症例には検出されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規がん転移関連分子候補STAC2と転移を含むがんの悪性度との関連を明らかにすることを目的とした。これにより、複雑な転移メカニズムの一端を解明するだけでなく、転移を標的とする新たな創薬ターゲットとなる可能性を期待した。今回の解析から、ヒト乳がん細胞株を用いた実験ではSTAC2の高発現が悪性度を増強する結果は得られなかった。また、STAC2の発現と乳癌症例を用いた解析では臨床病理学的な因子との相関を認めなかった。また、ACACA-STAC2融合遺伝子の頻度は極めて低く、解析症例中には見いだせなかった。以上より、STAC2はヒトがんにおいて転移や悪性形質との関連が低いと想定される。
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