研究課題/領域番号 |
19K16757
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鴨下 渚 早稲田大学, 高等研究所, 研究助手 (30835814)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん / 細胞競合 / がん変異細胞 / 正常-変異細胞間シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
超早期に生じたがん変異細胞を排除する生体機構・細胞競合現象を指標とした薬剤探索によりTM121501を同定した。同化合物はin vitroおよびマウスin vivoモデルでがん変異細胞の排除を促進する。加えて、TM121501は機能未知のタンパク質キナーゼ(TMTK)をターゲットとしていることを見出した。さらに変異細胞におけるTMTKは、「変異細胞からの正常細胞への細胞間シグナル」の上流で作用し、正常細胞側の排除能を制御していることを示唆した。本研究では、TMTKが制御する細胞間シグナル関連膜タンパク質分子を同定し、全く未知の細胞競合における正常―変異細胞間シグナルの実態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
TMTKによって変異細胞の硬さが亢進するが、この硬さ依存的に周辺正常細胞で誘導されてくる機能未知の膜タンパク質Xを同定した。このITIMドメインは、チロシン残基がリン酸化されることが知られており、実際にリン酸化されていることを見出した。また、このリン酸化を認識し活性化することが知られているSHP-2タンパク質に注目した。SHP-2はROCK2経路を活性化する。これらのことから、同定した膜タンパク質Xは、SHP-2/ROCK2経路を介して、変異細胞の排除を促進していることを示してきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「正常上皮細胞が超早期がんを駆逐する」機構は、今後がんを予防的に治療するために必須の研究対象である。すでに同定したTM121501はもちろんのこと、本研究で解明される細胞競合の根幹となる機構を対象とした薬剤が、この「予防的医療」という観点からの全く新しい治療法の確立に繋がることが大いに期待される。
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