研究課題/領域番号 |
19K16768
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西村 建徳 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (10624869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 葉酸代謝 / ミトコンドリア / がん / 乳がん / 微小環境 / 葉酸代謝酵素 / 腫瘍原生能 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はヒトがん細胞株においてミトコンドリア内葉酸代謝酵素であるMTHFD2をノックダウンし、免疫不全マウスに移植すると、細胞増殖が顕著に遅くなるだけでなく、腫瘍原生能も低下することを明らかにした。しかし、この移植実験系ではがん細胞の微小環境が自然にできる腫瘍組織と大きく異なり、がん細胞と間質細胞の相互作用については十分に評価することができなかった。そこで、本研究では乳がんマウスモデルを用い、自然にできる腫瘍に近い状態においてMTHFD2の機能を阻害した時、がん細胞と間質細胞の相互作用がどうのように変化するのか、そして形成される腫瘍の性質がどのように変化するのか、という二点について明らかにする。
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研究成果の概要 |
Mthfd2のノックアウトマウスは胎生致死のため、本研究ではコンディショナルノックアウトマウスを作成することとした。まず、Mthfd2-floxマウスを作成した。そして、このマウスを乳腺特異的にCreを発現するMMTV-Creマウスと掛け合わせ、さらに乳がんのマウスモデルであるMMTV-neuマウスと掛け合わせた。まず、乳腺のおいてMthfd2がノックアウトされているのかを確認した。次に本マウスの表現型について解析を進めた。まず、がんと関係ない表現型について解析を行った。その結果、出産や授乳をはじめとした表現型は乳腺でMthfd2をノックアウトしても特に問題はないようであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では新規抗癌剤のターゲットして申請者が見出したミトコンドリア内葉酸代謝酵素を阻害した時にがんが身を置く環境(がん微小環境)がどのように変化するかについて解析を行った。がんの悪性化にとってがんそのもの悪性化も大きな要素であるが、同時にがん微小環境ががんの変化によってどのように変化するのかも大きな要素である。本研究では免疫細胞を含めたがん微小環境がミトコンドリア内葉酸代謝酵素を阻害したときにどう変化にするのかについて初めてアプローチした。本研究によりミトコンドリア内葉酸代謝酵素の阻害剤を服用したとき、患者がどのように応答するのかについてより患者に近い形で明らかにすることができた。
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