研究課題/領域番号 |
19K16783
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
郭 シン 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40816328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膵癌 / Peroxiredoxin 4 / 生存率 / 浸潤 / 増殖 / PRDX4 / 移動 / 予後改善 / 増殖抑制 / ペルオキシレドキシン4 / 膵臓 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
ペルオキシレドキシン(PRDX)は抗酸化作用を有する一酵素群であり、数種類の癌に様々な防御的役割が最近見出されている。我々はPRDX4が肝細胞癌の増殖・進展と密接な関連性のあることを明らかにし、さらに、PRDX4の発現がStage I肺腺癌において、重要な術後予後予測因子であることも報告し得た。PRDX4の膵臓での発現は他の臓器より非常に高く、膵臓におけるPRDX4の重要な役割が示唆される。しかし、膵癌における、PRDX4の役割に関してまだ検討していない。今回、我々は酸化ストレスに基づく、膵癌の進展を抑制するメカニズムについて検討を進め、抗酸化酵素PRDX4の治療応用を模索する。
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研究成果の概要 |
膵癌は5年生存率が最も低い難治性癌である。有効な抗癌剤は強い毒性の副作用が認められ、副作用の少ない予防・効果的治療的な薬剤を探すことは急務である。本研究では、PRDX4と悪性腫瘍の関連性に着目し、膵癌におけるPRDX4の生体内での重要な役割を検討した。ヒト膵癌組織における解析では、PRDX4の高発現が腫瘍の浸潤・進展を促進し、悪い予後が示唆された。ヒト膵癌細胞株にPRDX4 geneのplasmid DNAを挿入し、細胞の増殖・移動の能力を増強した。最終的にはPRDX4の発現を抑えるのは膵癌治療に向けた臨床応用の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化ストレスを抑制することは、メタボリックシンドロームを予防することに繋がり、ひいては悪性腫瘍の発生・進展の抑制にも作用することが示唆される。最近、我々はPRDX4と悪性腫瘍の関連性に着目し、さらなるターゲットとして悪性腫瘍動物実験モデルを敷衍させ、PRDX4が肝細胞癌の増殖・進展や予後等と密接な関連性のあることを明らかにし、さらに、PRDX4の過剰発現が肺癌の発生において、重要な促進因子であることも報告し得た。しかし、PRDX4が膵癌との関連性はまだ報告されていない。本研究では初めて膵癌において、抗酸化酵素PRDX4の役割及びそのメカニズムを検討した。
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