研究課題/領域番号 |
19K16791
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
宮本 亮 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 外来研究員 (40770863)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | MYC / タンパク質相互作用 / 免疫沈降 / 白血病 / クロマチン |
研究開始時の研究の概要 |
MYCは細胞分裂や代謝を促進する物質を作りだし、がん細胞の無秩序な増殖を駆動(ドライブ)する。一方で、MYCは他の因子と結合することではじめて正常に機能することが知られており、この結合の阻害が、がん細胞増殖にブレーキをかけるための一戦略となりうる。これまで複数のMYC結合因子が知られていたが、研究代表者は独自の手法により新規MYC結合因子を検出した。本研究課題ではMYCとMYC結合因子との結合様式を特定し、この結合がどのようにMYCによるがん化に関わっているかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
MYCは多くのがん種で増幅が認められる転写因子であり、その発現量はしばしばがんの悪性度を規定する。MYCはその構造上、薬剤の標的としては適さず異なる制御戦略が必要とされてきた。本研究では独自の免疫沈降法を用いて新規のMYC結合因子を同定した。この結合パートナーとの結合領域を欠損させることでMYCのin vitroでの細胞不死化能は減弱した。また結合パートナーのノックダウンもMYCの不死化能を低下させ、同定した結合タンパク質がMYC制御に向けた新規標的になる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MYCはがんの発生・悪性化に関わる重要な因子であるが、薬剤を用いたMYC機能の制御は困難とみられている。別の制御戦略を探るため、本研究では独自の手法によりMYCと結合するタンパク質を解析し、未報告の結合タンパク質を特定した。MYCタンパク質を用いてMYC側の結合部位を明らかにし、かつMYC過剰発現細胞を用いて結合タンパク質の減少が細胞増殖を抑えることを見出した。本研究は特定した新規のMYC結合タンパク質がMYC制御に向けた新たな創薬対象になることを示す。
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