研究課題/領域番号 |
19K16804
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
伊藤 寛 佐賀大学, 医学部, 助教 (50795375)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膠芽腫 / NDRG1 / DIF-1 / GSK3β |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫は悪性脳腫瘍で、手術・放射線治療・化学療法を行っても予後不良である。近年、様々な薬剤の臨床治験が行われているが、患者の全生存期間を延長した薬剤はない。膠芽腫患者に有効な新しい治療が必要である。N-myc downstream regulated gene 1 (NDRG1)遺伝子は様々ながんを抑制することが知られており、NDRG1発現が高い膠芽腫患者は生存期間が長く、NDRG1は膠芽腫細胞の増殖を抑制する。我々は膠芽腫細胞のNDRG1発現を誘導する物質を見出しつつある。本研究は、NDRG1による膠芽腫の増殖制御機序を解明し、膠芽腫患者の予後を改善するNDRG1標的治療を提示する。
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研究成果の概要 |
グリオブラストーマ(GBM)は予後不良な悪性脳腫瘍である。N-myc downstream regulated gene1(NDRG1)は分化関連遺伝子で様々ながんの予後良好因子である。これまでNDRG1発現はGBM患者予後に正に相関し、GBM細胞増殖を抑制することを報告した。本研究はNDRG1によるGBM細胞の増殖抑制機序や、DIF-1のNDRG1発現誘導機序の解明、新しいNDRG1標的治療の創出を目的とした。結果、DIF-1はGBM細胞のNDRG1発現を誘導、増殖を抑制し、脳移植GBMのNDRG1発現誘導、増殖抑制を示した。DIF-1によるNDRG1標的治療はGBMの有望な治療になりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NDRG1は腫瘍抑制的な働きが注目されているが、NDRG1を標的とした治療はない。本研究では、NDRG1による細胞の増殖抑制機序や、NDRG1発現を誘導するDIF-1の作用機序を解明することで、NDRG1を標的とした患者予後を改善する新たなGBM治療を提示する事ができる点に学術的、社会的に意義がある。 さらに、本研究の成果はGBM治療に新たな治療を提示するばかりでなく、NDRG1が腫瘍抑制的に機能する他がん腫を含めたがん治療に大きく貢献できる可能性がある。
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