研究課題/領域番号 |
19K16806
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
小柳 潤 和歌山県立医科大学, バイオメディカルサイエンスセンター, 助教 (80716069)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | オルがノイド / 肺がん / オルガノイド / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
肺癌はわが国においてがん関連死亡者数が最も多いがん腫である。現在、肺癌薬物療法の治療成績は目覚ましく進歩しているが、薬剤耐性により治療選択肢が減少する点は現在でも大きな問題となっている。これを解決するためには、耐性をもった患者由来のがん細胞を用いた詳細な解析が重要だが、培養効率が低いため細胞株化はほとんど行われていない。そこで本研究では細胞の樹立効率が高いオルガノイド培養法を用いて、気管支鏡生検検体などからオルガノイドを樹立し、分子標的治療薬の耐性機構やその克服法の分子基盤の解明、治療効果予測因子の探索を行い、プレシジョンメディシンの実現を目指す。
|
研究成果の概要 |
和歌山県立医科大学呼吸器内科・腫瘍内科において気管支鏡生検を受けた患者より提供された検体を用いて培養を行い、オルガノイドの樹立に成功した。培養に成功したオルガノイドを免疫不全マウスへ移植したところ、造腫瘍性が確認された。また、次世代シークエンス解析を行ったところ、臨床検査において検出されたドライバー遺伝子変異がオルガノイドでも検出されることが明らかになり、本研究で樹立されたオルガノイドは患者の腫瘍細胞に由来することが示された。さらに、エルロチニブおよびオシメルチニブ耐性を示す患者から樹立されたオルガノイドの薬効評価を行ったところ、両薬剤への耐性を示すとともに、それを克服しうる薬剤を見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
個別化医療の実現を実現するためには、各患者由来のがん細胞を詳細に解析することが必 須である。しかしながら、がん組織からの細胞株化効率が低い事が大きな障壁となっている。また、肺がんは進行期で発見されることが多く、また生検の侵襲性が高いため、繰り返し検体を採取することが困難である。本研究では気管支鏡生検検体よりオルガノイドを樹立することに成功した。本研究の試みから、治療に伴う薬剤耐性獲得時のオルガノイドを樹立することで、治療抵抗性の克服の探索をはじめ、創薬等への応用が期待される。
|