研究課題/領域番号 |
19K16842
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉田 惠美子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90825788)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 卵巣癌 / エンハンサー / NETCAGE / プロモーター / 婦人科癌 / 転写制御 / NET-CAGE / CAGE / 産婦人科 / 転写ネットワーク / 次世代シーケンサー |
研究開始時の研究の概要 |
現在までに多くの大規模統合的ゲノム解析により様々なゲノム変異と腫瘍特性の関連性が示唆されてきた。後天的なゲノム変異は腫瘍特異的エンハンサーを形成し腫瘍を促進するが、従来解析ではエンハンサー解析には特化しておらずその解明もまだ発展途上にある。エンハンサーはそれ自体から合成されるRNA産物(eRNA)を検出し同定されるがその検出は難しい。そこでエンハンサー解析技術であるNET-CAGE法に着目し、婦人科癌におけるエンハンサーの解析を試みる。エンハンサーの統合的な解析は発生・進展の根源的な分子メカニズムを解明する可能性を有し、エンハンサーに特化した婦人科癌の転写制御領域地図の作成を目指す。
|
研究成果の概要 |
従来NET- CAGE法には核内RNAの抽出精製を要するが、検体必要量が多いという欠点があった。そこで簡易型のNET-CAGEを開発し、従来より少量かつ簡便な手法での実施が可能となった。 さらに簡易型ではenhancer RNAがより濃縮しており、enhancer解析としても優位であり、19,297のenhancerを検出した。その半分以上(13,035)は新規enhancerであった。さらに明細胞癌ではプロモーター発現レベルでクラスタリングすると、大きく二つのクラスターに分離され、同一の病理組織型でも異なる遺伝子発現分布があり、臨床的サブタイプと相関する遺伝子発現分布の可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
婦人科癌でも様々な大規模な統合的ゲノム解析は実施されてきたが、エンハンサーによる遺伝子の転写制御が婦人科癌の腫瘍形成およびその特性の細分化に中心的な役割を果たしている可能性は未だ十分に検証されていない。本研究では、 臨床データ、ゲノム情報、RNA発現、そして活性化エンハンサー領域を含む統合解析により、エンハンサーに特化した転写制御領域地図の作成を試みた。 活性情報の充実した転写制御領域地図は、発生・維持の根源的な分子メカニズムを解明や、 臨床応用を考慮した新規の治療標的や診断バイオマーカーの同定に発展する可能性だけでなく、今後のヒトゲノムの機能を更に考えるうえで重要な基盤になると期待される。
|