研究課題/領域番号 |
19K16851
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
佐藤 友美 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 プロテオームリサーチプロジェクト, 特任研究員 (10333353)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん転移 / 初代三次元培養 / プロテオミクス / スフェロイド / 細胞極性 / 初代培養 / がん / 転移 / 微小環境 / リン酸化プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
がんによる死亡原因につながる全身性転移は血管内を循環する体内循環腫瘍細胞およびその細胞塊による遠隔転移により生じる。 本研究ではがん細胞塊がどのような分子メカニズムで遠隔転移を確立しているかを明らかにするために、血管内を循環しているがん細胞塊に類似した構造を持つ腫瘍由来がん細胞スフェロイドを用いて、転移確立過程で血管内皮細胞や血小板と相互作用するがん細胞塊表面の膜分子を明らかにする。さらにリン酸化プロテオミクス解析により転移微小環境で生じている細胞間シグナル伝達を明らかにすることで新たな創薬標的となりうる転移抑制分子や細胞間シグナルを探索する。
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研究成果の概要 |
がんの死亡原因につながる体内循環がん細胞塊による遠隔転移確立メカニズムの解明を目指し、腫瘍組織から調整したがん細胞塊の接着過程における分子変動を解析した。 大腸がんから樹立したがん細胞塊は、転移過程で観察される細胞内極性変化や血管内皮細胞破壊能を維持していた。リン酸化プロテオミクス解析からがん細胞塊接着に伴い変動するキナーゼ活性やリン酸化シグナルを予測し、接着確立過程に関与する可能性がある分子を推定した。これら候補分子に対する阻害剤の中からがん細胞塊に対する接着阻害効果や細胞毒性を持つ阻害剤を発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの転移は予後不良につながるため、転移メカニズム解明による転移予防、転移巣への治療法開発はがん克服につながることが期待される。 近年、従来研究に用いられていた樹立細胞株は体内の腫瘍組織の多くの性質を失っており、より腫瘍組織の性質を維持した三次元初代培養法が報告されるようになった。機器やサンプル調整法の改良により微量検体からの解析が可能となったプロテオミクス法を用い腫瘍組織由来三次元初代培養がん細胞塊の転移過程を解析することで、これまでの遺伝子発現解析とは異なる新たな関連分子、メカニズム解明につながる可能性があり、新規創薬標的の発見につながることが期待できる。
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