研究課題/領域番号 |
19K16874
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
竹中 将貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00433988)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / 腫瘍内不均一性 / 次世代シークエンス / 次世代シークエンシング |
研究開始時の研究の概要 |
日本人に多い卵巣明細胞癌は, 治療抵抗性を示し予後不良な組織型として知られている. そのため遺伝子異常を標的とした新規治療法の開発が求められている. 我々は以前, 卵巣癌の遺伝子変異解析に取り組み, 卵巣明細胞癌では分子標的薬の治療標的となり得る遺伝子異常が高頻度に生じていることを報告した. 本研究では腫瘍内不均一性に着目し, 卵巣明細胞癌の複数病巣の遺伝子変異解析を行う. 病巣ごとの治療関連遺伝子異常の分布を調査し, 全ての病巣に共通に生じている治療標的遺伝子異常を同定する. 本研究成果は, 卵巣明細胞癌におけるPrecision Medicineの確立に重大な波及効果をもたらすと考える.
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研究成果の概要 |
本研究では卵巣明細胞癌における治療関連遺伝子異常の腫瘍内不均一性を明らかにすること目的とした.初回手術時に3箇所以上から病変を切除した進行卵巣明細胞癌症例9例,57病巣を対象とした.18の遺伝子に38種類の遺伝子変異をが検出された。ARID1AおよびPIK3CAの異常はそれぞれ9例中5例で同定された.また原発よ転移病巣の比較で,ARID1AおよびPIK3CA遺伝子異常に腫瘍内不均一性が疑われた。以上より明細胞癌の個別化医療において、これらの遺伝子を標的とした治療を行う際は、腫瘍内不均一性に留意する必要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんの薬物療法は、従来の殺細胞性抗がん剤に加えて、がん細胞で生じている遺伝子異常を標的とした分子標的治療薬が臨床現場で徐々に使用され始めている。それに伴い、遺伝子異常の腫瘍内不均一性は薬剤抵抗性に関与するとの報告もあり、今後は腫瘍内不均一性を考慮した治療薬の選択が求められる可能性がある。本研究では日本人に多く発生し、進行症例では極めて予後不良な卵巣明細胞癌の腫瘍内不均一性を調査し、一部の治療関連遺伝子異常で腫瘍内不均一性が生じている可能性を示した。
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