研究課題/領域番号 |
19K16878
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
白濱 仁深 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター ゲノム研究部, 研究員 (20838552)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | がん細胞 / GPX4 / フェロトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞の薬剤耐性獲得は、治療における課題の一つである。最近の研究で、薬の中で一週間ほど培養したがん細胞は、グルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)に頼って生きていることが分かった。このような細胞においてGPX4の働きを阻害すると、細胞死を誘導できる。しかし、GPX4依存となるメカニズムの詳細は明らかになっていない。本研究は、がん細胞のストレス応答という観点からGPX4依存を導く因子を探し、薬剤耐性にアプローチすることを目指す。
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研究成果の概要 |
分子標的薬の存在下で長期にわたり生存するがん細胞(Persister細胞)は、GPX4へ強く依存し、GPX4阻害剤によりフェロトーシスが誘導されやすいことが知られている。このGPX4依存性は、これまで標的分子の阻害により出現すると考えられてきたが、本研究によって分子の阻害とは独立して細胞密度依存的に顕在化するものであることが明らかとなった。また、統合的ストレス応答に注目した生化学的実験と網羅的なトランスクリプトーム情報解析を通じて、細胞内のカルシウム変動がGPX4依存性に関与していることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、複数のがん種においてGPX4依存性を示すPersister細胞が報告されている。本研究はBRAF活性化変異を持つ細胞株に特に注目し、細胞密度やカルシウム変動がGPX4依存性に密接に関連していることを明らかにした。これは、がん細胞の薬剤耐獲得メカニズムに新たな知見をもたらすものである。また、本研究から見出されたGPX4依存性へのカルシウムシグナル伝達の関与は、カルシウムシグナル伝達を介してGPX4依存性を誘導する、フェロトーシスを利用したがん治療への応用が期待できる。
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