研究課題/領域番号 |
19K16879
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京大学 (2020-2021) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2019) |
研究代表者 |
鹿島 幸恵 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (80831883)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | シングルセル解析 / がん不均一性 / EGFR-TKI / オシメルチニブ / 薬剤耐性 / 一細胞解析 / RNA-seq / scRNA-seq / がん薬剤 / MinION / ロングリード |
研究開始時の研究の概要 |
非小細胞がん患者においてEGFR変異は、欧米では5-15%、日本人では50%の割合を占める。EGFR感受性変異を持つ患者では、EGFR-TKIが有力な手段とされてきたが、ほぼ全例で耐性の獲得が報告され、50%以上がT790M の変異獲得によるものである。本研究では、第三世代EGFR-TKI投与後の肺腺がん細胞株を「経時的」に「一細胞レベル」 で「トランスクリプトーム解析及びEGFR変異同定」をすることで、耐性獲得細胞の発生時 期、細胞集団の変化、遺伝子発現変化、ゲノム変異解析により耐性獲得機序の詳細を明らか にすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
EGFR変異肺がんでは、EGFR-TKIが有力な手段であるが、耐性獲得が報告されてきた。本研究では、EGFR-TKI阻害薬オシメルチニブとエルロチニブを用い、薬剤耐性の過程を「一細胞レベル」で、「経時的に」、「モデル系」及び「臨床データ」を 利用して、解析することで薬剤耐性メカニズムの解明を行なった。モデル系の解析から、トランスクリプトームやエピゲノムのレベルで耐性化に関与が示唆される因子が同定された。これらの因子は、臨床での薬剤耐性症例においても一部関与が示唆された。本研究の成果は国際査読雑誌に掲載された(Kashima et al, Cancer Research, 2021)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人の非小細胞がん患者ではEGFR変異が、50%の割合を占めることが先行論文で報告されている。EGFR-TKIの耐性獲得に関しては、基礎実験、臨床検体の解析、バルクレベルのNGS解析等からいくつかの経路が示唆されてきたが、多層オミクスを利用した解析や不均一性に着目した研究は数が限られていた。本研究の成果は、一細胞RNA-seqと一細胞ATAC-seqを利用し、がんの不均一性や経時変化に着目し、薬剤耐性獲得の過程を明らかにした。これらの結果は、今後の個別化医療や創薬研究においても基盤となるデータになりうるという意味で高い社会的意義を持つと考えられる。
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