研究課題
若手研究
iPS細胞由来神経幹細胞を用いた細胞移植治療は、脊髄損傷に対する有効な治療法として期待される。しかしながら、従来の研究で用いられてきた神経幹細胞は、その脳領域特異性について十分に検討されていない。申請者はこれまでの研究で、iPS細胞由来神経幹細胞を前脳から脊髄までの任意の脳領域に作り分ける技術を開発してきた。本計画では、この技術を用いて、iPS細胞から様々な領域情報を持つ神経幹細胞を作出し、脊髄損傷に対する運動機能改善を検討する。同時に、領域情報による治療効果の差異を通して、神経幹細胞移植による脊髄損傷の治療メカニズムを明らかにする。
近年の培養技術の発展により、iPS細胞から様々な脳領域の特性を持つ領域特異的な神経幹細胞を作り分ける技術が発展している。しかしながら、脊髄損傷に対するiPS細胞由来神経幹細胞を用いた細胞移植治療においては、この神経幹細胞の領域特異性についてはほとんど検討されていない。本研究では、iPS細胞から領域特異的な神経幹細胞を作出し、どの脳領域の神経幹細胞が高い治療効果を発揮するかを検討した。研究の結果、脊髄の領域特性を持つ神経幹細胞が特に高い運動機能改善効果を発揮することが明らかとなった。
脊髄損傷治療における神経幹細胞の領域特異性に着目し、脊髄型神経幹細胞が最も高い治療効果を発揮することを明らかにした。この結果から、iPS細胞を用いた脊髄損傷再生医療において、従来の手法よりも治療効果の優れた神経幹細胞を作成できる可能性を見出すことができた。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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