研究課題/領域番号 |
19K16949
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永澤 元規 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00823535)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | αシヌクレイン / 老化 / 血管内皮機能 / レビー小体型認知症 / オリゴマー / 血管内皮 / eNOS / oligomer / 炎症 / 血管透過性 / fibril / エクソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
SNCAは神経細胞の変性に関与しているアミロイド蛋白であることは周知のことであるが、中枢神経において神経細胞以外の組織や更には末梢組織における病態生理機能については殆ど分かっていない。我々はSNCAが循環血液中にも存在し、老化と共に減少し、血管内皮機能やメタボリック症候群に対し保護的に機能している可能性を見出している。本研究では液性因子としてのSNCAの中枢神経及び末梢組織における血管内皮での病態生理機能に着眼し、血管内皮機能障害が関わる加齢性疾患について分子形態やエクソソーム、他の蛋白質との相互作用を機軸に基礎及び臨床的にSNCAの多様な機能の病態への関与の可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
αシヌクレイン(SNCA)オリゴマーはレビー小体型認知症において神経毒性を呈し、病態に重要な役割を担っているが、血管内皮に対する作用については明らかでない。リンコンビナントSNCA preformed fibril (PFF)及び活性型SNCAモノマーとPFFの混合(rSNCA+PFF)は凝集活性を有し、PFF及びrSNCA+PFFをHUVECに添加するとNFκB活性上昇、炎症性サイトカインの発現が著増、eNOS発現の低下が認められた。一方で、SNCAの凝集体をHUVECに添加しても、これらの変化は認めなかった。神経細胞より分泌されたSNCAオリゴマーは脳血管障害にも関与している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レビー小体型認知症(DLB)は4大認知症の一つであり、SNCAがその原因分子であることは知られているが、その病態生理については不明なことが多い。本研究では毒性を有するSNCAオリゴマーの血管内皮機能障害への直接関与の可能性を見出した。臨床的にDLB認められる認知機能の変動性はSNCA oligomerに起因する血流障害に伴うものの可能性があることや、抗精神薬の過敏性は血管内皮障害に伴う透過性の亢進に起因する可能性が示唆された。これまでに見出してきたSNCA monomerの血管内皮への保護的な作用を考慮すると、SNCAはその分子形態により、血管への作用が異なることが考えられた。
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