研究課題/領域番号 |
19K16983
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
福田 顕弘 大分大学, 医学部, 助教 (30628889)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ポドサイト / 肥満関連腎症 / バイオマーカー / 糖尿病性腎症 / 尿中ポドサイトmRNA / 糸球体肥大 / 微量アルブミン尿 / 尿中ポドサイト |
研究開始時の研究の概要 |
肥満症や糖尿病に関連した腎症の診療で使用されている微量アルブミン尿は必ずしも有用ではなく、新たなバイオマーカーが求められている。糸球体疾患では尿中に糸球体上皮細胞(ポドサイト)が多く検出され、申請者らは、尿沈渣中ポドサイト特異的mRNA(ポドシンmRNA)が糸球体疾患のバイオマーカーとして有用であることを示した。また、糖尿病においても、同マーカーが早期診断及び疾患活動性を反映することを明らかとした。本研究の目的は、尿沈査中ポドシンmRNA排泄量などの尿中ポドサイトマーカーが、微量アルブミン尿より精度の高い肥満関連腎症のバイオマーカーとして有用であることを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
肥満関連腎症における尿沈渣中ポドサイトmRNA排泄量の有用性について検討した。肥満ラット群では、コントロール群と比較して経時的に有意な糸球体容積増大、ポドサイトdensityの低下を認め、肥満関連腎症の進展にポドサイト障害が関連している可能性が示唆された。さらに臨床症例の検討では、高度肥満群とControl群で尿沈渣中ポドサイトmRNA排泄量に有意な上昇は認めなかったが、eGFR≧100の群において、60≦eGFR<100群と比較して尿沈渣中ポドサイトmRNA排泄量の上昇傾向を認め、同マーカーが肥満症における糸球体過剰濾過をアルブミン尿より早期に検出できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満症や糖尿病などの生活習慣病患者は増え続けており、患者の生活の質(QOL)維持や医療経済上も深刻な問題となっている。肥満症は糖尿病発症の危険因子となるだけではなく、蛋白尿や慢性腎臓病発症に対する有意な危険因子であることが報告されている。 本研究により尿沈渣中ポドサイトマーカーが微量アルブミン尿より精度が高く早期及び疾患活動性を反映する肥満関連腎症のバイオマーカーであることが確立できれば、糖尿病性腎症や肥満関連腎症の早期発見のみならず病勢の評価にも有用であり、QOL維持や透析導入患者の減少という観点から医療経済上も非常に重要な研究と考える。
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