研究課題/領域番号 |
19K17020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平 健一郎 順天堂大学, 医学部, 助教 (60821725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | エクソソーム / 脳梗塞慢性期 / 軸索再生 / アストロサイト / 血清由来エクソソーム / Glia-Neuron interactions / peri-infarct area / Semaphorin3A / Semaphorin3A阻害薬 / 脳梗塞 / グリア細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性期の脳の機能回復に必要なシナプスの再形成には神経細胞とグリア細胞のinteractionsが必要である。申請者は、脳梗塞後慢性期においてSema3A阻害薬がアストロサイトから分泌されるエクソソームを介して軸索を再生させるメカニズムを発見した。そこでグリア細胞由来のエクソソームを脳梗塞後慢性期における新規治療として応用することを達成するため、エクソソーム中のmicroRNA解析と軸索再生促進因子の効果分析や、軸索再生促進因子による軸索再生効果の検証、Peri-infarct areaへのエクソソーム投与効果の評価を行い、エクソソームの脳梗塞後機能回復への関与とそのメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
グリア細胞由来エクソソームの脳梗塞慢性期機能改善効果メカニズムの検討では成果が得られなかった。そこで、循環する血清由来エクソソームに着目した。MCAO前のエクソソーム(Pre-exo)に比べ、MCAO28日後のエクソソーム(28-day-exo)ではタンパク量の増加を認めた。培養神経細胞にOGD後28-day-exoを投与することで有意に軸索伸長を認め、培養アストロサイトではS100A10陽性細胞の増加とC3d陽性細胞の減少を認めた。MCAO後亜急性期に28-day-exoを投与したところ神経徴候と運動機能の改善を認めた。梗塞後慢性期血清由来エクソソームは脳梗塞慢性期新規治療となりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクソソームはmiRNAなどの情報を含有する細胞間伝達分子として各疾患治療に応用されているが、効果実証は近距離における限定的なものである。しかし、エクソソーム内でmiRNAは安定していることから、遠距離をターゲットとした治療法の開発が実現可能と考えた。さらに、単一細胞由来のエクソソームによる直接的な機能回復効果のみならず、循環するエクソソームを介した全身の諸臓器との相互作用に着目するという点でより実臨床に近い形で最大限の機能改善効果が期待できると考えた。本研究では、エクソソームの経静脈的投与による脳梗塞後慢性期機能回復効果の実証により遠距離をターゲットとした治療法の開発に近づいたと言える。
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