研究課題/領域番号 |
19K17051
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
池之内 初 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, レジデント (80836552)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脳出血 / 脳梗塞 / 透析 / 末期腎不全 / 血圧変動 / 低栄養 / 血液凝固異常 / 後天性von willebrand病 / 後天性von willebrand症候群 / 血液維持透析 / 脳卒中 |
研究開始時の研究の概要 |
研究開始から2021年3月までの間に搬送された、発症24時間以内の急性期脳出血・脳梗塞症例のうち維持透析を施行例を対象とする。非透析例ならびに非脳卒中透析例を設定し、発症後の血中のvon willebrand factor (vWF) 多量体を各群で測定し、前向きにvWF多量体の推移を観察する。さらに、病型ごとでのvWF多量体の群間比較を行い、特定の病型との関連性の有無を検討する。同時に、透析シャント部位のずり応力を測定し、ずり応力とvWF多量体の関連性の有無についても評価する。
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研究成果の概要 |
既報告では透析患者の脳卒中症例における転帰や重症度と関連する因子について十分に検討されておらず、von willebrand病の関与の評価に先立ち、透析患者における転帰に関連する因子を検討することが必要となった。当院における過去10年の維持透析中症例を後方視的に観察し、脳卒中の転帰に影響する因子について評価を行った。転帰と関連する因子として、脳出血では発症前の血圧変動が転帰に影響し、脳梗塞では慢性炎症や低栄養のマーカーが転帰に関連していた。血液学的、凝固・線溶系のマーカーは転帰や重症度に影響していなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
透析患者の脳卒中において包括的な研究はなく、転帰と関連する因子についても十分にわかっていなかった。 透析中の脳出血は重症で死亡率も高いが、特に発症前の血圧変動が発症後の転帰に影響しており、脳梗塞症例と比較しても発症前の血圧は脳出血群で高く、適切な血圧管理が脳出血発症予防として重要であると考えられた。 脳梗塞症例においては、透析中、もしくは透析後に発症している症例が多く、透析中の水分バランスの適切な管理が脳梗塞発症予防に重要と考えられた。また、動脈硬化の原因となる慢性炎症が転帰に関連しており、慢性炎症への対処が転帰予防として重要である可能性が示唆された。
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