研究課題/領域番号 |
19K17067
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
原田 朋子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10779432)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 摂食障害 / 神経性やせ症 / 再栄養症候群 / 血糖 / 低リン血症 / 血糖変動 / 再栄養 / 持続血糖変動 / リフィーディング症候群 / 栄養療法 |
研究開始時の研究の概要 |
極度の低体重である神経性やせ症の治療では、餓死を防ぎ、低体重を改善するために栄養を与える必要がある。しかし、治療を開始した初期(再栄養時)に、返って生命に関わる様な再栄養症候群という重篤な状態が起こり得る。このため、慎重に栄養投与を行う必要があるが、再栄養症候群についての理解は不十分であるため、治療のための栄養素の内容などについての指針はまだない。本研究では、再栄養症候群の発生に関連する事柄について、特に血糖変動や投与する栄養素の割合の関連に着目して検討し、再栄養症候群を防ぐための望ましい栄養療法を提言する。
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研究成果の概要 |
神経性やせ症(AN)患者の治療開始時に、時に生命に関わる再栄養症候群という状態が起こり得る。早期の体重回復を得るためには、再栄養症候群のリスクを避けながらできるだけ多くのカロリーで治療を開始する必要がある。本研究では、対象となったAN患者(平均BMI12.8)に約1300kcalで開始しても重篤な再栄養症候群は起こらなかったが、BMIの低い患者や高すぎるカロリーで開始することは再栄養症候群のリスクになる可能性があることが示された。また、再栄養症候群発症リスクと血糖変動の関連は明らかとはならなかったが、低血糖が頻繁に認められ、再栄養時の低血糖にも注意が必要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英国のNICEガイドラインは、低栄養状態の人に対して約5~20kcal/kg/日といった極度な低カロリーからの再栄養を推奨しているが、低すぎるカロリーでは餓死のリスクの可能性もある。欧米とは体格差のある日本の神経性やせ症(AN)患者の再栄養に関しては、欧米のガイドラインを直接応用することは難しく、安全な再栄養の開始カロリーは明らかとなっていない現状が続いていた。本研究では、日本でのANの栄養療法において、カロリーを極端に低くしなくても安全に再栄養の開始が可能であったことが示された。この結果は、今後の効果的なAN患者への治療に貢献すると考えられる。
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