研究課題/領域番号 |
19K17072
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡邉 己弦 東海大学, 医学部, 助教 (60794120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 無菌マウス / 腸内細菌叢 / 腸内細菌叢ー腸管ー脳軸 / 認知機能 / 行動特性 / 行動解析 / 発達特性 / 脳腸相関 / 認知機能特性 / 認知特性 / 神経発達症 / 脳-腸管-腸内細菌叢軸 / 腸内細菌叢-腸管-脳軸 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、腸と脳機能の相互関係に関心が高まっている。そして、この脳腸相関を腸内細菌叢と脳機能の相互関係と捉え、腸内細菌叢が宿主のストレス反応に影響を及ぼすことが明らかになってきた。本研究の目的は、神経発達症において、行動特性だけでなく認知特性にも腸内細菌叢が影響しているかについて無菌マウスを用いて解明する点にある。 本研究の中心課題は、発達早期の腸内細菌叢による宿主の認知特性への影響の解明であり、そのためにアイソレーター内で、無菌マウス群と無菌マウスに常在腸内細菌叢を投与したマウス群の2群において、認知特性の比較検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、腸内細菌叢の精神・行動特性への影響について、認知機能に焦点を当て検証した。BALB/cマウスを、無菌(GF)マウス、および無菌マウスに病原体を保有していないマウスの常在腸内細菌叢を経口投与した (EX-GF) マウス群の2群に分類した。無菌条件下で、Y字迷路課題を使用し、自発的交替行動を測定し、短期記憶(空間的ワーキングメモリ)を観察した。GFマウスと、Ex-GFマウスでは明らかな短期記憶の差が得られなかった。以上の結果から、腸内細菌叢が、衝動性や攻撃性に影響を及ぼす一方で、認知機能への影響は少ない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、腸内細菌叢による精神活動や行動への影響を、飼育や繁殖が容易ではない無菌マウスを使用して明らかにしたところに、学術的意義がある。我々の研究では、腸内細菌叢が宿主の不安や攻撃性に影響を与えることを解明した。本研究では、腸内細菌叢が影響する精神活動、行動特性、認知機能特性の細かなプロファイルを示唆した。この点は、腸内細菌叢の重要性を示唆し、重要な社会的意義を有する。
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