研究課題/領域番号 |
19K17077
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
山口 博行 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第七部, 科研費研究員 (40822557)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 深層学習 / 機械学習 / 人工知能 / 精神疾患 / 脳画像 / 次元的アプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
現在の深層学習を用いた精神疾患脳画像研究は、健常者と患者を判別するカテゴリー的アプローチが大半である。しかし、カテゴリー内の患者像が一様ではなく、カテゴリー間でも重複が見られ、病態解明に迫れていない。また、深層学習の過程で、疾患カテゴリー判別に関係ない情報は淘汰されており、深層学習の真価を発揮できていない。本研究は精神疾患カテゴリーに捉われず、症状・行動指標と生物学的基盤の対応を重視する次元的アプローチを採用する。その上で、脳画像から深層学習により症状・行動指標を標的とした特徴量の抽出技術を確立していく。
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研究成果の概要 |
深層学習を用いた精神疾患脳画像研究では、カテゴリー的アプローチに基づき、健常者と患者を判別することが多いが、健常者と患者の境界は明確ではなく、判別することの意義は不明である。また、判別に関係がない情報が淘汰され、深層学習は真価を発揮できていない可能性がある。本研究では、症状・行動指標と生物学的基盤の対応を重視する次元的アプローチを採用している。本研究では、3次元脳構造MRI画像を用いて、精神疾患診断ラベルを使用せずに特徴量を抽出する深層ニューラルネットワークを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により構築された深層学習モデルは、人為的バイアスを排除し、自己組織的に特徴量抽出が可能であり、これまで損失していた可能性がある脳画像に内在する情報の抽出が可能である。加えて、従来の精神疾患診断ラベルを使用しないにも関わらず、統合失調症の症状重症度や抗精神病薬の服用量と関連した特徴量を抽出でき、単に統合失調症に限定されず、多様な精神疾患の脳画像への応用の可能性を備えている。また、抽出された特徴量は生物学的指標の一つとしても期待され、将来的には精神疾患の病態解明や薬物反応性、予後予測などに活用される可能性が考えられる。
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