研究課題/領域番号 |
19K17078
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西谷 直也 金沢大学, 薬学系, 助教 (30824792)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 5-HT / 注意 / セロトニン / 注意選択 / 注意機能 / 恐怖条件づけ |
研究開始時の研究の概要 |
不安障害やうつ病患者では、負の情動と関連した感覚刺激に対し、無視すべき状況でも強く注意を引かれてしまうことが知られる。この注意選択の異常は、既存の薬物治療では改善できず、治療の障壁や再発リスクとなる。現在の主な治療薬はセロトニンを増加させるが、ヒトを対象とした研究では、細胞外セロトニン濃度増加が注意選択の異常を引き起こすことが示唆されており、不安や抑うつ気分の改善と注意機能の改善を両立出来ない。そこで本研究では、従来情動制御を担うとされてきた「セロトニン神経」と、注意選択機能を担うことが近年の研究で示唆される神経核「前障」間の神経回路が注意選択異常に関わる回路であるという仮説を立て、検証する。
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研究成果の概要 |
負の情動と関連した感覚刺激による注意選択の阻害を評価する実験系を開発し、セロトニン神経の役割を解明することを目指した。この実験系を確立する過程で、空腹時のエサ獲得、すなわち、非常に注意を集中させている場合には、電気ショックと関連させた音であっても、その入力を遮断している可能性が示唆された。そこで、回し車回転行動を報酬とした課題を作製し、その基本的性質を調べ、回し車回転行動への欲求や報酬効果は、エサの場合と同様にドパミン神経伝達によって制御されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不安障害やうつ病患者では、負の情動と関連した感覚刺激に対し、無視すべき状況でも強く注意を引かれてしまうことが知られる。この注意選択の異常は、治療の障壁や再発リスクとなる。本研究により、マウスにとって生命維持に重要であるエサを報酬とした場合には、不要な刺激が遮断されることが示唆された。一方、娯楽である回し車を報酬とした課題を作成することで、人間が日常生活で発揮するものにより近い注意機能の評価が可能であることが示唆されたことから、これを応用した課題を確立することで、負の情動と関連した感覚刺激による注意選択の阻害を適切に評価できると考えられる。
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