研究課題/領域番号 |
19K17085
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
常山 暢人 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90750349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | うつ病 / ホルモン / 治療抵抗性 / 性ホルモン / 重症度 / 認知症 / DHEA-S / IGF-1 / estradiol / cortisol / cortisol/DHEA-S / ホルモン補充療法 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症の予防対策が重要とされるなか、介入可能な認知症リスク因子としてうつ病が知られてきている。また一方で、性ホルモンとうつ病との関連が示唆されている。 本研究は、うつ病患者に関して性ホルモン値と抑うつ症状および認知機能の関連性を解析し、うつ病患者の予後予測や治療法の開発につなげることを第1の目的とする。 次に、抗うつ薬治療における治療抵抗性うつ病患者に対して、産婦人科の協力を得て性ホルモン補充療法を行い、治療抵抗性うつ病の治療可能性および認知症発症の予防可能性を明らかにすることを第2の目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、cortisol値ならびにcortisol/dehydroepiandrosterone sulfate (DHEA-S)比、insulin-like growth factor 1(IGF-1)値がうつ病の重症と相関し、cortisol、IGF-1がメランコリアや自殺リスクに影響することを明らかにした。また、男性うつ病患者の血清estradiol値が対照群よりも低値であり、抑うつ症状とestradiol値との間に負の相関関係があることを報告した。さらに、本研究では、血清IGF-1ならびにDHEAS値が、うつ病の治療抵抗性を予測する因子となり得る可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、ホルモンがうつ病の重症度や治療抵抗性と関連する可能性が示唆された。既存のうつ病治療の問題点として、抗うつ薬治療に反応しない症例が一定数存在することや客観的なマーカーがないことが挙げられる。今回の成果は、ホルモンがうつ病の診断や治療反応を予測する生物学的マーカーならびに新たな治療法の確立につながり得る可能性を示唆し、精神医学において大きな意義があると考える。
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