研究課題/領域番号 |
19K17137
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 実 京都大学, 医学研究科, 助教 (20826010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | がん / 放射線治療 / 血清アルブミン / 好中球細胞外トラップ / ナトリウム・カルシウム交換体 / 活性酸素種 / 生体レドックス / トランスレーショナルリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、血清アルブミンの抗酸化能と放射線治療の殺腫瘍効果との関連性を検証すると共に、放射線治療の効果予測マーカーとして血清アルブミンの酸化度が幅広いがん種において機能するか否かを検証する。本研究を通じて、患者個々の血清アルブミン酸化度に基づいた放射線治療効果予測法が確立されれば、放射線線量と併用抗がん剤の合理的な事前用量調製が可能となり、より低毒性でかつ高い根治率を示すプレシジョン放射線治療の実現につながる。
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研究成果の概要 |
血清アルブミンの酸化は、放射線治療効果を予測する因子ではないことが分かった。しかし、血清アルブミンの酸化が強く見られる膵がん症例では、好中球細胞外トラップ(NETs)の形成および遠隔臓器再発が有意に多く、全生存期間も短いことが分かった。現在、検体数を追加した検証の後、論文投稿を予定している。膵がんとNETsに関連した研究として、膵がんの新規治療薬候補として知られる5-(N-ethyl-N-isopropyl)-Amiloride(EIPA)がナトリウム・カルシウム交換体の阻害を通じて、非炎症性にNETsを誘導する事を明らかにした。本結果はRedox Biology誌に採択された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の社会的意義として、血清アルブミンの酸化度を治療前に測定する事で、膵がん患者の予後を予測し得ることが挙げられる。今後、同予測に応じた治療内容の選択が可能となるかもしれない。本研究成果の学術的意義として、膵がんの転移におけるNETsの重要性が示唆された事から、NETsの生成機構の解明に関する基礎研究の促進につながる事が挙げられる。これにより、NETs阻害剤を用いた転移抑制戦略への展開が期待される。
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