研究課題/領域番号 |
19K17264
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小野田 農 金沢大学, 附属病院, 診療放射線技師 (00803628)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | MRエラストグラフィ / T1rho dispersion / 肝線維化 / MRエラストグラフィー / 肝硬度 / 肝の線維化 / エラストグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
慢性肝疾患は世界的な公衆衛生問題の一つであり、肝線維化の程度を評価することは肝臓の状態を把握し、治療方針を決定するうえで非常に重要である。非侵襲的な肝線維化評価法として、肝臓の硬度を測定するMRエラストグラフィーが有用であると報告されているが、炎症や血流など線維化以外の因子も肝臓の硬さに影響を及ぼすため、線維芽細胞の出現を早期にとらえることが困難であった。本研究は、MRIを用いて肝の線維化のみの情報を抽出することで、線維化初期の状態をとらえることを可能にし、また、新たな肝線維化評価法を確立させることで、肝生検の代替法の標準化に寄与することができる。
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研究成果の概要 |
侵襲性の高い肝生検の代替法としてMRエラストグラフィが臨床応用されている。粘弾性体に対するMRエラストグラフィの外部周波数依存性に着目し、外部周波数を変化させた時の肝の硬さの変化量⊿Gが肝の炎症と相関を示したことから、⊿Gが肝臓の炎症を評価する有用なパラメータであることを証明した。 また、肝の線維化を評価する新たなMRIパラメータであるT1rhoの基礎的研究を行った。健常者ではT1rho値は動きの遅いプロトン、すなわち高分子の組成を反映していることが示唆された一方、患者では異なる結果となった。肝内のT1rhoの挙動を解明するうえで新たな見解となり、肝線維化評価法としてさらなる発展が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝線維化の評価を非侵襲的に行うことができるMRエラストグラフィーは、慢性肝疾患患者にとって肝生検のリスクを低減することができるため、非常に有用な手法である。本研究ではMRエラストグラフィを用いて肝の硬度に影響を与える炎症を評価できることを確認し、より詳細な肝臓の硬度情報を取得することができる可能性を示した。 また、T1rho dispersionという肝線維化を評価する新たな手法は、患者と健常者間で反映している対象が異なる可能性があるということが分かり、今後の研究材料へと期待ができる。特別な装置を必要としないこの手法が確立されれば、肝生検の代替法として普及する可能性があることがわかった。
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