研究課題
若手研究
本研究では、放射線治療における不均質補正の第三者評価システムのための技術開発を行う。放射線治療計画装置では、CT画像から不均質補正に必要な物理量へ変換し(CT値校正)、患者体内の線量分布をシミュレーションしている。このCT値校正は、CT装置や撮影条件、ファントムの種類により変化する。本来各施設において管理されるべきであるが、近年では放射線治療品質を第三者的に評価する重要性が認識されている。本研究では、不均質補正の第三者評価を行うため、新たな郵送型不均質補正ファントムの設計や解析手法の開発を行い、多施設のCT撮影装置を用いた検証結果に基づいてその妥当性を評価する。
放射線治療における不均質補正の第三者評価システムのための技術開発を行った. 郵送調査が可能なファントム製作し, 自動的にCT画像から不均質補正に必要な物理量へ変換するためのソフトウェアの開発を行った. また, 試験的に複数のCT装置で調査を実施することにより, 従来の最適化モデルでは一部のCT装置で最適解を取得できないという問題があることを発見し,新たな最適化モデルを開発した. さらに, 評価に必要な許容値を設定し不均質補正の第三者評価方法を確立した.
国民が質の高い放射線治療を受けるために, 放射線治療技術の均てん化が課題となっている. 放射線治療計画装置の不均質補正に対する第三者評価方法として, ①ファントムのCT撮影, ②CT値から密度への変換, ③線量分布計算までのEnd to End試験が実施されている. 本研究によって, ③線量分布計算の影響を含まない評価法が開発されたため, End to End試験の各過程に対する個別の評価が可能となり, 各地域にある放射線治療装置の第三者評価を通して, 国民に対しより高精度な放射線治療を提供することに繋がる.
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Medical Physics
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Journal of Applied Clinical Medical Physics
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